Japan's Depth - Behind Japan galacticos Figure Skating Team #2 Tomoko IMAGAWA: A Superwoman - skating, writing, coaching, mothering
Our Japanese correspondent Aiko interviewed Tomoko IMAGAWA @ Ashiya station.
By AIKO SHIMAZU 島津愛子
July 31, 2011 in Kobe

今川知子 Tomoko IMAGAWA 1997 Prince Ice World  Japan Sports
1997 Prince Ice World


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オリンピックシーズン、2009年の全日本選手権の取材で、遠路はるばるトロントから大阪に来ていた Japan Skates の Mark は、素敵な女性に出会います。地下鉄の駅で、独りのカナダ人に優しくお声をかけて下さった方は、同じく、記者として取材に来られていた今川知子さんでした。佐藤有香さん、八木沼純子さん、阿部奈々美さん(羽生結弦選手のコーチ)らと同期の知子さんは、1995年の全日本女子シングルで4位になられた後、甲南女子大学卒業と共に競技から引退され、その後2002年までプリンスアイスワールド(以下、PIW)でプロスケーターとして活躍。二度目の氷とのお別れを経て、今日まで、記者として、コーチ(現在は関西大学の長光歌子先生のチーム)として、そして5歳と6歳のお子さんのお母様として、活気にあふれた毎日を送られています。


JS: そんな知子さんに、まず、これを第一に質問されたし!という司令を受けまして⋯「今なお美しい知子さんですが、その美しさを保たれている秘訣は?」

TI: ⋯ハァ!?(笑) いきなり、そんな質問!?(笑)

JS: (笑) どうしてそんなに美しくなられたのか、という⋯

TI: (笑) 整形じゃないよ!

JS: (笑)

TI: 大学を卒業し、PIW (プリンスアイスワールド) に入り、プロになってから、メイクにも慣れてきたというのはあるでしょうね。ショースケーターは見られる職業だから、お客さんに少しでもキレイに映るように、メイクや髪型を研究したことも影響しているのかな!?体重は今も変わってないでしょうね⋯ 自分では分からないですけど、同級生からは「昔から変わらないね。」って言われますが⋯

JS: パフォーマーとしての経験と、やはり、運動、ということでしょうか?

TI: ⋯うーん。キレイになったかどうかは別として、少し"余裕"が生まれたんだと思います。選手時代は、周りがまったく見えず、ストイックな方だったから、トレーニングして、練習して⋯と、私服もジーパン・Tシャツなんかで、いつもノーメイクに練習着で過ごしてましたから。意識が変わったのは、アイスショーに入ってから、ですかね!?美しい先輩方にも感化されたかもしれません。でも、アイスショーを辞めて、どんどん衰えていくようですけどね。(笑)

JS: (笑) いえいえ。ずっとお若いままです!

TI: えー!(笑) 年取りましたよ!⋯ヨガにハマってるから、それが少しはアンチエイジングになってるのかな?あっこちゃん (鈴木明子選手) みたいに、すごくはないですけど。私、元々 頸椎を痛めていて、肩こりがすごいし、運動しないとひどくなることもあって。脂肪も燃焼するし、一石二鳥!(笑) アイスショーを辞めてから、リンクにいても、ほとんど汗をかかないので。ストレス発散にもなります。子供が産まれる前は、ジョギングをやっていましたが、子供が産まれてからは、家を離れることもできないので、家で出来るヨガを。⋯今日もやって来た!久々に。「太陽礼拝」のポーズをやって来ました。(笑)

JS: (笑) 気軽に出来るのがいいですね。


JS: コーチ業ですが、現在はどのように営まれているのでしょう?

TI: 週に2回ほど、教えています。今ちょっと、育児が大変なので、育児メインで。でも、育児のみの生活も、せっかくスケートしてきたのに、もったいないかなぁ、って、育児に支障が出ない範囲でさせてもらってます。母に助けてもらいながら、ですけれど。

JS: お子さん、お元気ですね!

TI: (笑) もう、元気すぎて!

TI: 有難いことに、ボスである長光歌子先生 (高橋大輔選手のコーチ) に、「育児優先で、無理しないで」とお心遣いを頂いて。そのお言葉に甘え、そうさせていただいています。チームでやっていて、私は主に初級者から中級者を教えています。


JS: スケートとの出会いについてお話下さい。

TI: 家の近くに、スケートリンクがあって。それで、スケートを続けて来れたのは⋯ 好きだったんでしょうね。(笑)

JS: (笑)

TI: 他の習い事はやめていって、スケートだけが残って。一緒に始めた友達も、勉強やなんかで皆やめていって、私だけが残って。

JS: 今のように、フィギュアスケートが興行として成り立っている時代とは違い、知子さん世代の選手がスケートを続けて行くのは、さぞや大変だったのではなかろうか、と Mark が慮っているのですが⋯ どうやって競技を続けて来られたのでしょう?

TI: 「どうやって」って⋯ (笑) まずスケートが好きだったということと、続けさせてもらえる環境にあったということかな!?⋯今の世界のトップの、一握りの選手達は違うかもしれませんが、それ以外の選手の環境は、今も昔も変わらないと思いますよ。

JS: 学生時代における、鍛錬ですね。

TI: ビジネスとしてどうこう、ではなく、"選手"としてね。ある程度、長年がんばってきたら、もっと上に行きたい、という気持ちがありますよね。例えば、全日本の予選に落ちたりしても、次の年は通りたい!と、また練習を積んで。全日本に出たら、今度は、国際試合に出たい!とか。そうやってステップアップして行って。私も、スケートを習い始めた頃は欲があった方ではなくて、ある時期に目覚めたのですけれど。それまでは、ただ 好きだったから、やらせてもらえていて。サポートしてくれた親も、フィギュアスケートが好きだったんでしょうね。夏場には地元の神戸のリンクが閉まるので、大阪のリンクまで、車で片道約1時間の送り迎えです。フィギュアスケートは、そういう保護者のサポートなしには、続けられないスポーツです。今も昔もね。たまに、親に、「もっとちゃんとやりなさい!」って、叱咤激励されながらね。(笑)

JS: (笑)

TI: うちの親はあまり言わないほうで、黙って見守ってくれていたけど。

TI: 私も親も、小さい頃から「将来はオリンピックでメダル!」⋯というのではなく、そのときに合わせて、目標を見つけてがんばって行く。やっぱり、好きだったから、そうやって続けて来られたんでしょうね。大学をやめても、スケートを辞めたくなかったから、PIWに行って。⋯そうやって、続けて来た、ってかんじですかね?(笑)

JS: (笑) ⋯北米では、すごいレベルにでもならない限り、あまり、学生時代に、なにかひとつのことに打ち込んで「がんばる」といったような感覚がないので。日本人ならではだと思います。

TI: 競技を辞めてから聞いたことですが、私の両親も、自分がいろいろやって、これといったものが残らなかったから、自分の子供には、何か好きなことがあるなら、その道を極めさせたい、って。子供の夢を、自分も一緒に追いかけていた、と。

JS: そういう日本人スケーターの、真摯に「道を極めている」っていうところが、Japan Skates は好きなんだと思います。


JS: 知子さんは、PIWでの御活躍や、また、卓越した記者として、フィギュアスケート界を開拓して来られたと思うのですが、

TI: えーー!(笑)

JS: いえいえ。フィギュアスケート界の発展に貢献された、「開拓者」のうちのお一人です!

TI: えーー!?(笑) 開拓者でもないし、貢献もしていないでしょう〜(笑)

TI: ⋯うーん。ひとつ、言えるのは、共著 (: 在米スポーツライターの梅田香子さん) ですが、本を書いたことですかね!? (2004年「フィギュアスケートの魔力」) その時はまだ、真央ちゃん美姫ちゃん達が小さくて、今ほどメディア等に取り上げられていない時代で、でも、「すっごい、天才な子達がいる!」って。「絶対、この子達はオリンピックでメダルを取れる!」って、内々では有名でした。他の子も皆、ルックスも良くて可愛いし、実力もあるしね。でも、今みたいに取材に来られる方も多くなくてね⋯ この才能溢れる子達のこと、それに伴いフィギュアスケートの魅力を、世の人に伝えたい、と。でも、「フィギュアスケートの本を出したい」なんて売り込みに行っても、相手にしてくれるところが、あまりなかったからね!(笑)

JS: なんと!

TI: アイスショーも、平日とかガラガラのときもありましたしね⋯

JS: えー!

TI: そういった状況で、インターネットでHPを作って、インタビューや試合の記事を出していって。 (「Kiss & Cry」 http://homepage3.nifty.com/skate/index.html ) 「貢献」ではないけれど、役割は果たせたのかもしれません。⋯自分が好きで、やらせてもらった、っていうだけですけれど。(笑) とにかく、スケートバカで。(笑)

JS: (笑) 荒川静香さんや村主選手高橋選手、太田由希奈さん、浅田姉妹に安藤選手、山田満知子先生岡本治子先生の声が聞こえてくるようなインタビューです!HP以外にも、知子さんは、ちょうどルール改正やトリノオリンピックシーズン前後の頃に記事をたくさん書かれていて。スポーツの面アートの面の両サイドから、フィギュアスケートを描かれていて。アカデミックで明解で。今なお、フィギュアファンの良心となっています!


JS: 現役の頃のお話ですが、同期の方が大勢で、伊藤みどりさんもいらっしゃって。よきライバルと共に歩まれた、競技生活はいかがでしたか?

TI: みどりさんはもう、雲の上の存在で。「ライバル」どころか、『神』!(笑) もう別格。同世代にはじゅんじゅん (八木沼純子さん) 、有香ちゃんがいたけど、そこともまた離れてたからね!「ライバル」というか、追いかけてました。なんとかして追いつきたい、という。でも、和気あいあいとしてましたけどね。今でもそうだと思うけど、フィギュアスケートの場合、まずは自分自身との戦いで、自分の力を出し切れるかどうか、ですからね。私は、ジャンプがあまり得意ではなかったので、「一種類でも多く高難度のジャンプを飛びたい」と思い、練習に励んでいました。競技を辞める間際に、荒川静香ちゃんが出て来てね。静香ちゃんの素晴らしい才能に唖然として、「ああ、世代が違ってよかった。」と思いました。(笑)

JS: (笑)

TI: 私なんか、眉間にシワ寄せて必死でジャンプ飛んでるのに、静香ちゃんは、飄々とした表情で簡単そうに高難度のジャンプをバンバン飛んでいましたからね。

JS: 小さい頃から、あのジャンプだったんですね。

TI: 小さい頃は、身軽だから、ジャンプも正確で。どの子もですが、だいたい中学二三年頃から、だんだん女性らしい体型になって、ジャンプが飛べなくなる子もいます。変貌期を経て、落ち着くと、自分で食生活もコントロールできるようになりますけど。それまでは、一度は低迷期を迎える子が多いです。重くなって、横に大きくなると、故障も増えてきますしね。


JS: 子供達を教えるにあたって、知子先生はどのようなことを心がけていらっしゃいますか?

TI: 初級者の子には、とにかく楽しく!スケートを好きになってもらうように、と。中級者 (2級〜5級程度) になってくると、そろそろ"選手"としての意識と自覚を持って、練習に取り組んでもらわないといけません。中級くらいになると、プログラムの途中から諦める子も出て来るので、演技を諦めないように、と。生徒はうっとうしいかもしれないけれど、しつこく、諦めないように、とは言っています。

TI: 子供達が最後の最後まで力を出し切れるように、こちらも最善を尽くしています。教えるほうも、少しでも上を目指して、と。途中で諦めることが、私は大嫌いなので、こっちも、「なんで諦めんのーーーーっ!」って言ってますね。(笑)

JS: (笑)

TI: もちろん、選手本人が試合やテストに向けて"やる"、と決めたら、ですよ。怪我とか病気で諦めるならしょうがないですけれど。⋯開き直る子も出て来るしね。反抗期でね!(笑)

JS: (笑)

TI: そういう、反抗期で真剣に練習に取り組まない子は、試合での演技がどうなるか不安だから言い訳したいんですよ。試合で悪かったときのために、「私、練習あんまり頑張らなかったし。」って。"真剣"がかっこ悪い、みたいな。思春期でね。もちろん、真剣に頑張る子もたくさんいますし、そうでないとトップには行けませんがね。

JS: そういう斜に構えた子、そういえば、クラスに一人はいましたね。

TI: そういう子は、やっぱり不安だから、試合前になるとナーバスになってね。調子悪くなったら、うなだれてしまって。「だめでも、かっこ悪くないから、もっと"真剣"に向き合おうよ!」と言うんですけど。もちろん、トップになると、精神的に出来上がっているので、そんな子はいませんけれどね。

TI: 他には⋯ 関係ないけど、マナーや礼儀の面とかね。(笑)

JS: いえ!関係あります!日本では、「コーチ」は"先生"で、生徒を「クライアント」としてではなく"子供"として、スポーツを通じて道徳教育をしているな、と思います。一人の社会人を育てる、というように。

TI: そうそう。どの子もそうですけど、良いときと悪いときの波があるじゃないですか。壁に突き当たったときに、それを乗り越える強さやたくましさがないと。スケートを辞めて、違う世界に行っても社会人として通用するように。どの世界に進んでも、山もあるし谷もあるだろうけど、負けないように!って。(笑)

JS: (笑)

TI: 元教え子が一社会人になったとき、そのような面も活かされれば嬉しいですね。そう、フォローはしているつもりですけど、出来ているのかな⋯ (笑)

JS: (笑) そういう、知子先生のようなおかあさんやおとうさんが、生徒にはたくさんいるわけですね。

TI: 態度にも、注意しますね。中級者の子でも、ぶーたれて、氷蹴ったりする子もいるし!

JS: (笑)

TI: むしゃくしゃする気持ちは分かるけど、氷に滑らせてもらってるのに、「どういうことーーーーっ!」って。(笑) その、自分が作った穴にひっかかって転んだりしてね。「バチ当たったわ!」って。(笑)

JS: (笑) 自業自得。⋯先生達は生徒さんを、"子供"として、愛されているのですね。

TI: 私もそうだったけど、中級者以上になると、一日の大半をスケートリンクで過ごす場合が多くなるので、ただスケートが上手くなれば良いというのではなく、大人になって社会に出ても困らないように、指導できればと思っています。どこへ行っても皆から愛される存在になってほしいですしね。


JS: Japan Skates Interview 恒例の質問なのですが、「今までファンの方からもらったプレゼントの中で、一番不思議なものは?」

TI: 「不思議なもの」!?(笑)

JS: (笑) プレゼントは、どんなものでしたか?

TI: ぬいぐるみ・花束⋯ 置物⋯ 「現金」もあった。「現金」が一番不思議かな。(笑)

JS: (笑)

TI: 熨斗に包まれて!(笑)

JS: (笑) なんともはや!

TI: PIWで頂いた花束に入っていてね!(笑) 現金は勘弁して下さい、という事態になったら、今度は「クオカード」が!(笑)

JS: (笑) すごいボケだ!

JS: これは、Mark が知りたいということで⋯ ベタな質問ですが、「好きな食べ物は?」(笑)

TI: 好きな食べ物はいっぱいありすぎて(笑) ⋯スイーツ!

JS: やっぱり、甘いものが。

TI: 選手の頃は、タタカイでしたね。(笑) いかに節制するか、と。でも、隠れ食いとかしちゃったり。(笑)

JS: (笑) 自分は陸上をやっていて、その、陸の者からすると、フィギュアスケートは、持久走に近いのかな?って。練習では一時間以上も滑り続けていて、食べても練習ですぐ燃焼されるのかな?と思っているのですが。

TI: 小さい頃からやってるから、滑ることに慣れていて、オンアイスの練習だけでは減らない。ジャンプは瞬発力だし。組み合わせやからね。皆、持久力や体重維持のために走ってますよ。ランニングは基本かな。⋯でも、そのオンアイスの練習の後、やっぱり疲れてるのか、甘いものを欲するのよ!それが!板チョコ一枚ペロリよ!(笑) なのにカロリーは消費してない。(笑)

JS: (笑) では今度は、お母様として、「得意な料理」をお教え下さい。

TI: ⋯ハンバーグ、肉じゃが?(笑)

JS: 現役の頃は、自炊されてましたか?

TI: 結婚してから2年はアイスショーをやっていたので、作ってましたけど。一人だけだったら、しないよー!家族がいなかったら、適当に済ませちゃう。(笑)

JS: お嫁さんと母上さまの手料理は、愛ですね!


今川知子 Tomoko IMAGAWA 1997 Prince Ice World  Japan Sports
1997 Prince Ice World


JS: 最後に、フィギュアファンの皆さんにメッセージをお願いします。


☞ Tomoko Imagawa @ Ashiya station on July 31, 2011