Japan's Depth - Behind Japan galacticos Figure Skating Team #1 Takuya KONDOH: A Funky Monk of the Sports & the Arts
Our Japanese correspondent Aiko interviewed Takuya KONDOH @ Meiji Jingu Gaien.
By AIKO SHIMAZU 島津愛子
Jun. 15&25, 2011 in Tokyo

近藤琢哉 Takuya KONDOH 2010-2011SP Lupin III @ 2010 All-Japan National Championships © Japan Sports
2010-2011SP"Lupin III" @ 2010 All-Japan


☞ in English


まずは、「2010全日本に、すごいのいたッ」という、熱狂の第一報を今一度お伝えいたします!
- I was shocked to meet "Lupin III" at Men SP, Oh boy! What a boy! Ryan Bradley of Japan! such a performer we have!? I didn't know that. He fevered crowds with just a little moves! You must take note: Takuya Kondoh age19 http://www.isuresults.com/bios/isufs00007259.htm
He was placed 13th tonight. I wish you could see him in the future. (YouTube keys for his "Lupin III" @ Japan Nats: Takuya, Kondoh, HD)

"男子SPで、衝撃の出会い!なんてこったい!『ルパン三世全日本のアイス』。あにはからんや!ライアン・ブラッドレイが日本にもいた!ちょっとした仕草でお客さんをとりこにする、近藤琢哉選手19歳です!皆さんお見知りおき下さい。
http://www.isuresults.com/bios/isufs00007259.htm
ショートは13位でした。世界の皆さんも、いつか彼と出会えますように。"
⋯という、「いつか」が待ちきれず、琢哉さんにお話を伺いに、明治神宮初詣です!


+++ Boy meets Lupin III and his beloved movies +++

JS: 衝撃の傑作2010-2011SP"ルパン三世"が生まれた経緯をお教え下さい。

TK: 最初は、"Played-A-Live (by Safri Duo)"をやりたいと思っていたのですが、振り付けの佐藤紀子先生(: 新横浜スケートセンターのインストラクターで、村主章枝選手の日本でのコーチ。)に、「イマイチじゃない?」と言われて。もう なんにも思い浮かばずに、テレビを見ていたら、丁度ルパンをやっていたので、「これでいいや。」って(笑) そんなに深くは考えずに決めました。

JS: 「これでいいや」であの傑作が!?⋯でも、「そうだ、ルパンやろう。」って思われたんですよね?

TK: 「これでやったらおもしろいかな。」ぐらいにしか⋯ 織田君(織田信成選手)がマリオ(2004-2005SP "Super Mario Brothers")をやられていておもしろかったので、ああいう路線でおもしろいプログラムが出来たらいいな、とは前々から思っていました。

JS: おもしろいし、お洒落なプログラムになってますよ!


JS: ルパンの振り付けは、どういう風に出来上がって行きましたか?

TK: 紀子先生は、ああいう曲で振り付けをされたことが、あまりなくて。二人で、「どうやったらおもしろくなるかな~」って終始たのしいかんじで作りました。自分でも、「ここは、こんなのどうですか?」って。

JS: ほぅー!御自身の踊りのタッチを活かした振り付けですね。あっこちゃん(鈴木明子選手)と同じ作り方だ!

TK: そうですか。今までのプログラムは、大体受け身で、曲も「これ!」って言われてやっていて、正直、あんまり気に入らない部分もあって、やるのがイヤだったので、

JS: 「気に入らない」+「やるのがイヤ」!(笑)

TK: (笑) これは、最初から自分でやろうと思いました。

JS: ステップの、えも言われぬ"ま"で ルパンが倒されるところでは、全日本のお客さんを鷲掴みでしたよ!

TK: ほぅ~。あそこも、二人で意見を出し合って作りました。

JS: キャメルとシットスピンのトランジションも、JGPの頃とは打って変わって、ファンキィに仕上げられていましたね!


JS: フリーの"モリコーネセレクション"(2009-2011)ですが⋯ これはもしや、「気に入らない」やつでしたか?

TK: いえ(笑) 僕は映画がすきで、すきな映画の『海の上のピアニスト』と『ニューシネマパラダイス』(ジュゼッペ・トルナトーレ監督)の曲を、「すき!」っていうだけで選んじゃって⋯ やりにくかった、っていう面はありました。イメージも取りにくいしテンポも取りにくいし、難しいな、と。でも、これでシーズン通して行くしかないし、って。ショートが気に入っていただけに、フリーに苦手意識がありました。


+++ About a Boy +++

JS: 琢哉さんは、ジャンプさえ飛べば!⋯なフィギュアスケーターだと思うのですが。御自身ではどう思われていますか?

TK: 僕は、突出したものはあまりなくて、

JS: 踊りが突出しています!

TK: そうですか?自分としては、得意なものを作るより、苦手なものを無くしていこう、ということを意識してやって来ましたが⋯ アクセルとかが苦手です。


JS: 練習とは別に、ダンスのレッスンなどされているのでしょうか?

TK: トレーニングはずっとしていますが、ダンスはやっていません。

JS: !?

TK: 昔は、ちょっと習ったこともありますが⋯

JS: えー。それでそのアリサマですか!

TK: "見ていてたのしい"のが一番大事だと思うので、それは意識しています。彰生(佐々木選手: 稀代のエンターテイナー)の演技がすきで、ああいう風に出来たらな、と思います。二人共、ジャンプ飛べたらいいのになぁ、って(笑)


JS: スピンの手のかんじとか、琢哉さんの、派手ではない小粋なタッチがだいすきなのですが、一番は、佇まいです!全日本で、スタート位置に着くルパンを見て、「あ、なんかカッコイイの始まる!」と予感したほどです。体のラインがつま先まですっと伸びていて、滑り出したら、爽快なハヤサで、かつ、氷とのフィット感があって。また、頭のてっぺんに重心があって、姿勢がアップライトで、大きく見えます!

TK: ほぅ~。そうですか?あまり言われないことなのでうれしいです!

JS: スケーティングを特に練習されているのでしょうか?

TK: やっています。滑りが苦手だったこともあり、重点的に練習しています。

JS: どんな練習をされているのでしょう?

TK: スケーティングは基本的なことなので、ハタから見るとつまんないことだし、基礎的なことしかやってないように見えると思うんですけど⋯ その時、"ちゃんと氷に乗れているか"、という。エッジに乗れているか、とか、グラグラしてないか、スッと行ってスッと戻って来る、とか。ジャンプと比べて、成功とか失敗がないので、その分、どれだけこだわるか、そこだけじゃないですかね。ちょっと妥協したりすると、スケーティングがどんどん悪くなると思うし。

JS: 極めることですね。御自身では、どのようなスケーティングを目指されていますか?

TK: 多分、スケーティングって、小塚君(小塚崇彦選手)みたいに「スッ」と入れるタイプと、パトリック・チャンみたいに「じわじわ~」と入れるタイプと、二種類あると思うんです。あとは、(ジェフリー)バトルも、小塚君みたいにスイスイ行くと思います。僕は、どっちかって言うと、小塚君みたいなほうがすきで。小塚君は、倒れるまでがすごくハヤイんですよ。

JS: エッジが?

TK: エッジを外に出すのも、エッジを倒すのもハヤイ。ディープエッジに素早く入れる。そういったところを参考にしています。

JS: ⋯自分は、パトリックを実際に見たとき、度肝を抜かれて。走行距離・速度、軌跡の多様さ複雑さが圧巻で、かつ、他の人が取れないポジションを次々取って滑って行くので、どえらい踊りに見えて、圧倒されました。その、パトリックの、「じわじわ~」っていうのは?

TK: ワンエッジで半円描いたり、長いのですごい傾いたりとか。

TK: もぅー、小塚君もパトリック・チャンも、スケートすごく上手くて!

JS: 両巨頭、みたいなかんじで?

TK: どっちも参考にしています。

TK: 僕がすきなスケーティングは⋯ っていうか、全部すきなのは、(エマニュエル)サンデュなんですよね!ジャンプもスケーティングもダンスもスピンも全部。スケーティングで言えば、小塚君とパトリック・チャンが上手いと思うんですけど、両者のスケーティングの特色を兼ね備えているのが、多分サンデュなんじゃないかな、と。細かいので「サッサッサッ」ってやるのも巧いし、長いので「じわ~」ってなるのも出来る。絶対、小塚君とパトリック・チャンのほうがサンデュより上手いですが、それでもサンデュがすき!

JS: おすきなサンデュのプログラムは?

TK: ショートのタンゴのプログラムですかね。


JS: 「脱力ジャンプ」を会得された、ということですが?

TK: イヤ!ぜんっぜん、まだです。ずっと、それがやりたくて。

JS: どういうジャンプなのでしょう?

TK: 僕は、どう飛んでも力んじゃう、というか⋯ いかに、必要最低限の力で飛べるか、という。そうしないと後半も安定しないと思うので。完全に「脱力」するわけじゃないんですけど、安定させるために、無駄を省いて。

JS: ⋯フォームを意識しすぎない、ということですか?

TK: いえ、フォームに即して、無駄な動きをしない、という。

JS: 自分は、陸上をやっていたのですが、ものっすごい、コンマゼロの刻みでフォームを意識して走るんです。意識しすぎて、筋の反応が鈍って、下手したら逆に遅くなるんじゃないのか、ってくらい。でも、ある段階で、365日のうちの数日ですが、フォームを意識せずとも、その理想のフォームで走れてる気がするんです。そういう感覚なのでしょうか?

TK: それを目指しています。最初は、フォームを意識していないと、そのフォームが出ないですよね、

JS: 出ない出ない。

TK: それで、何回も何回も意識して練習しているうちに、頭ではなく筋肉に落とし込まれるように、とやっているんですが、

JS: そうそう!

TK: そうすると、自分では合っているつもりでも、フォームが崩れてきたりするので、また、フォーム=鋳型にはめ直して、という。その繰り返しです。自分は、練習の量も質も良いとは言えないので、考えたり工夫したりすることで、その分を補って行かないと。そうやって導き出した結果が、"フォームに忠実に"、ということです。


JS: どんどんオスらしい体型になられていく琢哉さんですが、2シーズン前と先シーズンでは、別人のような体になっています!

TK: 氷の上で練習できる時間は限られているので、その分トレーニングを増やしたりして。あんまり付けすぎても重いので、必要な分だけ、ですけど。なにが必要でなにが不要なのか、トレーニングに関しては知識がないので、トレーナーの方に御指導頂いています。

JS: 意識して大きくなったのかー。

TK: 昨シーズンは、プログラムが何倍もつらかったので、たくさん走ったし⋯それ仕様のトレーニングをしていたら大きくなりました。

JS: そうやってオス化が進むと、体型の変化でジャンプのタイミングなんかも違ってくるのでは?と思っているのですが。

TK: いや、そんなこともないと思います。やり方が合っていれば。筋肉は機能するものなので。太っちゃったりしたら、「重いなぁ」と感じるでしょうけれど、それでも、やり方が合っていれば飛べないこともないと思います!

JS: 鋳型にはめれば、だ!

TK: 太ってたら、見栄えとかキレとか⋯踊りのほうでキビシイんじゃないかな、という気はします。⋯外国の選手は、すごい体してますよね。サンデュも、バッキバキで。でも、体を作るのが目的じゃなくて、スケートで使える体にするのが目的なので。


JS: 慶應大学二年生になられた琢哉さんですが、勉強とスケートの両立はどうですか?

TK: 練習と講義が重ならないように、うまく調整してはいるんですけど⋯ 試験とかは大変ですねぇ~

JS: そうですよねぇ~

TK: でも、勉強とスケートの両方、学生生活には大事!と思っているので、言い訳にはしたくない、と。


JS: 初出場の全日本では、なな・なんと!現地入りした日の公式練習の転倒で、左足首を剥離骨折されていたそうですが、会場の皆さんは、手負いのルパンに、してヤラレてしまってましたよ!まったく、怪我を感じさせない演技でした!

TK: いや⋯ 余裕がなくて。

JS: いいえ!ぜんっぜん、分かりませんでしたよ。皆さんもそうだったと思います!

TK: 「怪我したから」とは言われたくなかったので、出るからには一生懸命やろう!と思ってました。

JS: 私は、ルパンさんをお見送りする際に、全日本では大勢のお客さんが入っているので、「ルパン、うれしかったのかな。そういう選手なのかな?」って思ってました。

TK: すごく、たのしかったです。でも、たのしかった反面、力を出し切れなかったので、悔しい、っていう気持ちはあります。

JS: ⋯冒頭の3Lz-3Tが、ルッツおっとっと!-2Tになっても、そういう振り付けに見えましたよ!

TK: それはよかった(笑)


JS: そんなルパンさんだったので、琢哉さんは、試合が楽しいタイプの選手なのかな?って。フィギュアスケートには、それほど試合がありませんし。

TK: いえッ 全然。緊張してしまいます。ジャンプの事考えたりとか、いろいろ考えてしまう方です。

JS: ⋯あの、全日本のルパンの前も?

TK: 考えました。すんごい緊張してました!

JS: でも、入って来た時からルパンでしたよ。

TK: 練習で、緊張したらこんな感じかな、というのを常にイメージしながらやっていたので。本番でそう見えたなら、成功じゃないかな、とは思います!

JS: へぇ!?「緊張してるイメージ」で、通し練習をされるのですか?

TK: 絶対失敗出来ないぞ、と強く意識してやってきました。

JS: やはり、結果を残そう、というのが中心ですか?

TK: そう、今は、「結果を出す」ことです。そのためには、ジャンプを飛ばないといけないんですけれども、ひとの心に残らないと、本当の意味の"結果"には結びつかないんじゃないかな、と思います。いくらジャンプが飛べても、感動しなかったら意味がない、って。

JS: ⋯そんなルパンさんだと思ってた!

TK: ハイ(笑)

JS: やっぱり、踊らないと、ですね。

TK: そうですね。ジャンプも構成のひとつで、それも含めて演技だと思うので。ジャンプだけ、っていうのは、よくないと思うんですよね。


JS: そんな風に、小さい頃から、プログラムを作品として見せよう、と思われていたのでしょうか?

TK: いや!小さい頃は、ジャンプ命!みたいなかんじで。演技を見せるのも、恥ずかしくてイヤで、緊張して振り付けを忘れたり⋯ 演技に、苦手意識がありましたね。滑るのも苦手だし。

JS: えぇー!!

TK: (笑) 自分の演技のビデオを見て、「なんか、おもしろくねぇなぁ。」と思って、その辺りから意識が変わってきました。高校生くらいになって、です。

JS: えぇ~ ⋯意外ですね。だって、所作がステキで、誰の真似でもなくて!軽快で繊細で。スタッカートでレガートで。ほんと、こんな選手いたんだ!って。

TK: (笑) それは、買いかぶり、のような気も⋯

JS: 気のせいですッ

TK: 曲選びにしても、誰かが使った曲だと、イメージが強すぎて、結局はそれを基にしたものにしかならないので、なるべくそういうのは避けよう、とは思っています。あんまり、使われない曲にしよう、と。


JS: 中学の終わり頃から佐野稔先生に習われている琢哉さんですが、⋯佐野先生は、テレビの解説でおなじみの、ああいう先生なのでしょうか?

TK: そう⋯ (笑) ああいう先生ですけれども、あのテレビのかんじとは違って、指導は細やかです。技術的なこと以外にも、気持ちの面でも、細心の気配りを下さいますので、信頼して、尊敬しています。

JS: 振り付けの佐藤紀子先生は、どういう先生ですか?

TK: コワイ先生なのかな~と思っていたのですが(笑)、すごく優しくて、意見も言いやすいです!


JS: 音楽、映画や文学、美術と、バランスの取れたアート青年な琢哉さんですが、すきなもののお話をお願いします!

TK: 音楽は、「プログラムに使えるかな?」という聴き方もしますし、自分がすきなものをよく聴いています。

JS: 最近の DJ Shadow なんかを聴かれているのは分かるのですが、Nirvana とか Smashing Pumpkins、ブレイクビーツ勢といった、琢哉さん世代よりもだいぶ上の、90年代の音楽を聴かれていて、珍しい19歳だな、って。

TK: なんでも聴くんです!ヒップホップがすきで、それでブレイクビーツも聴くようになって。Nujabes(日本人アーティスト)とか、Orbital、Chemical Brothers とかすきですね。

JS: 映画も、名作からミニシアター系のものまで、幅広く見られていますね。珍しいスポーツ選手だな、って。

TK: 映画は、洋画も邦画も見ます!どちらかと言えば邦画のほうがすきですかね。

JS: この一本、というのがございましたら、お教え下さい。

TK: 『ガタカ』です。


+++ Close Encounters of the 2011-2012 season +++

JS: 「たのしい作品」になったという、イスラエル民謡の新SP"Hava Nagila"ですが、音楽好きの琢哉さんが、どこで出会った音楽なのでしょう?

TK: けっこう、いろんな曲を聴いて⋯ ショートは、「変わったのにしよう!」とずっと思っていて、でも、やりにくかったらイヤだな、って。おもしろくて×やりやすい曲を選ぶのは大変でした。大体、YouTube等で探すのですが、プルシェンコがやっていたの見つけて。そのプログラムを僕は知らなかったので、「ああ、これならいいかな。」と。有名なプログラムだったらイヤですけど。(笑)

JS: (笑) こっそりカブって。

JS: 「狂ったように踊り続ける」とは御自身の評ですが、あの旋律を踊り描いて行かれるわけですね?

TK: そう⋯ どうなることやら、というかんじです。(笑) 出来上がったばかりなので。


JS: これから振り付けられる、FS"Slavonic March (by Tchaikovsky)"は、いわゆる「クラシックベスト盤」に入っているような有名曲ではないですが、いろんな調べが込められている名曲ですね。

TK: "1812 Overture"(: チャイコフスキー代表作のひとつで、ロシア軍VSナポレオン率いる大陸軍「ボロジノの戦い(1812年)」を題材とした序曲。スラヴマーチは、共に演奏されることが多い。)のほうを使いたかったのですが、国によって差し障りがあるのかな、と思って。スラヴマーチのほうは、前から使いたかったんです。

JS: 前からコレ知ってるのがすごいや。⋯どこで出会われたのでしょう?

TK: 母がバイオリンをやっているので、家にCDがあって。

JS: お母様はバイオリン、琢哉さんはピアノ。⋯ステキ親子!

JS: 曲は行進曲(マーチ)ですが、曲想が様々で、物語も見えるような、文学作品になりそうですね。

TK: 叙情的、というか、盛大なかんじですよね。フリーは長いので、飽きない曲がいいかな、と。スラヴマーチは、結構分かりやすい曲だと思うので、それで決めました。盛り上がりがはっきりしているので。⋯分かりやすい、っていうのが、フリーのテーマ⋯ですかねぇ?(笑)

JS: (笑) 起・承・転・結ッ ってかんじ⋯ですかねぇ?出来上がりがたのしみです!


JS: エレメンツに、3Aが入るか入らないかで、変わってくると思うのですが。

TK: 今シーズンは、入れます。ショートから入れて行こうと思います!

JS: ⋯ということは、練習では決まってる、と。

TK: いや~ ⋯怪我してからは、まだ全然飛べてないです。怪我する前は、結構飛んでたんですけど、確率が良くなくて入れてなかったんです。


+++ Phantom of the Paradise +++

JS: フィギュアスケートを続けるには、お金がかかると思うのですが⋯

TK: 親からは、毎年、「やる気がないなら、やめなさい。」って言われます。お金も時間もかかるので、自分でもそう思います。スポーツ選手である以上、結果を出さないといけない、って。

JS: フィギュアスケートをずっと続けさせるものは、どんなところでしょう。

TK: やっぱり、たのしいところです!(笑) 踊ってたのしいし、飛べてうれしいし。

JS: 自分は、スポーツとアートが一緒になってるから、おもしろいんだ!って思うんですけど。

TK: そうですね。ジャンプとかの技術は、理論で、「あ、こういう仕組みなのか。」って分かるし、でも、踊りっていうのは、理論ではまかなえないので、「こうやったら、どう皆に響くのかな?」って思索するのがたのしいです。それが同居しているスポーツというのは、なかなかないんじゃないかな、と。

JS: 陸ではありえないムーヴを見せられますよね。あのスピードの中であの距離を進みながら。

TK: そうです。でも、陸でイメージして、氷に上がってそのギャップを埋めていく、その繰り返しです。陸で、ジャンプやフロアダンスの練習をしても、実際、氷の上では滑るので、陸とは違う現象が起こります。それをまた、陸に持ち帰って、練習する。トライ&エラーの連続です。

JS: 人形使いが人形自身になる、と。飽くなき探究かー。


JS: 琢哉さんは、「スケオタ」とも目されていますが(笑)、他の選手のスケートをよく御覧になっている、珍しいフィギュアスケーターだな、って。

TK: 「スケオタ」⋯どうでしょう?(笑) 男子シングルしか見ないんですけど、誰々のファン、というわけではなく、パクろう、とか、取り入れよう、とか、そういう目線でしか見ていなくて⋯

JS: 「パクろう」!(笑) ⋯フィギュアスケート研究ですね?

TK: (笑) そういうかんじです。そういう視点です。

JS: トライ&エラーのひとつだ!

TK: ほとんど毎日、YouTube等で動画を集めては、スローモーションで、ずーっと見ています。

JS: スローモーションで!?

TK: ジャンプの入りから、分析しています。自分のジャンプもビデオに撮ってもらって、それと比較したり。

JS: 尽きせぬ探究かー。

JS: ⋯御自身でスポーツ工学に勤しまれて、しかも実践までされているとは!

TK: それがすき、という前提もありますが、やはり、氷の上で練習できる時間が限られているので、空いた時間にそこを補って。⋯でも、「補う」ほど大げさなものではなく、すきだから見ています!

TK: 見ていると、「アレ、これどういう仕組み?」っていうジャンプもあって、そういう質問をどんどん、佐野先生にしています。佐野先生は、解説等でいろんな選手を数多く御覧になっていますし、一番アタラシイ技術を一番近くで見られている方々のうちのお一人だと思うので。尋ねやすいですし、聞いていろんなことを得られます。

JS: もはや、修行かー。⋯ジャンプの練習をすこし拝見させてもらいましたが、お二人で、一種類一種類・一本一本のジャンプをトライ&エラーで研鑽されていて。愉快な師匠と修行僧に見えましたよ!

TK: (笑) やってることは、地味だと思います!


JS: 大学を卒業されたら、引退されるのでしょうか?

TK: 多分そうなると思います。

JS: ⋯

TK: 小さい頃から、ずっと、そうなるだろうな、と思ってましたから。今は違いますが、僕が小さい頃は、どの選手でもそういうかんじで、学校が終わったら終わり、っていう形で。リアルな話、スケートでは、食べていけないのかな、と。

JS: セチガライご時世かー。でも、振り付けとか?フィギュアスケートに関わられて行こう、と思われてますか?

TK: どうなんですかねぇ⋯ あんまり、考えてないです。「思わない」というか、まだ、先のことは全然想像がつかないです。

JS: 誰しもそうかー。⋯"今、がんばること"が、フィギュアスケートなんですね!

TK: ハイ!すごく、たのしいです!

JS: 分かります!


近藤琢哉 Takuya KONDOH 2010-2011SP Lupin III @ 2010 All-Japan National Championships © Japan Sports
2010-2011SP"Lupin III" @ 2010 All-Japan


JS: 全日本で初見したルパンは、ワルもので、まごころがあって、せつなくて、イナセで。琢哉さんも、そんな青年だと想っていました。でも、実際の琢哉さんは、夏休みの小学生みたいな心根をお持ちで、アート青年で修行僧で!⋯ルパンの心象風景は、琢哉さんのトライ&エラーの賜物であるということに、打ちひしがれました。「こういうのがイイ!」という御自身のテイストを、スポーツマンシップの力で、プログラムというカタチにされている。それがなによりすばらしい!と。

TK: スケートに取り入れたくて、音楽も聴くし、本も読むし、映画も見るし⋯ スケートからも、アートを学べるように、と。両方がつながれば、と意識しています。そう、意識はしていても、すぐにスケートに反映されるものでもないので、どれだけ取り込んで、自分のベースに落とし込めるか。一朝一夕にはいきません。だから、たくさんのものに触れよう、と心がけています。

JS: 引退されても、琢哉さんのテイストを、なにかカタチにされていますね?

TK: ハイッ!やってると思います!

JS: 期待しておりますッ!


JS: 最後に、皆さんへのビデオメッセージをお願いします!


☞ Takuya Kondoh @ Meiji Jingu Gaien on June 15, 2011

JS: (短ッ) ⋯以上ですか?(笑)

TK: (笑) 以上です!3Aを含めて、たのしい演技。がんばります!


— 昨季の成績により、強化指定を外れてしまった近藤選手。10月のブロック大会、東日本、全日本、インカレと、今季の挑戦が続きます。


— 2年後、近藤選手は荒川静香さんプロデュースのアイスショー Friends On ice のオーディションに合格します。スケート人生「最初で最後の」ショーで、スケート人生最後のシーズンに選んだSP"ルパン三世"を初披露。大切な一瞬一瞬を楽しみ、味わっているようなルパンの演技を、多くのファンの皆さんが慈しむように魅入っていました。


近藤琢哉 Takuya KONDOH 2010-2011,12-13SP Lupin III @ 2013 Friends On Ice © Japan Sports
2013-2014SP"Lupin III" @ 2013 Friends On Ice