A Charmer on the Ice - AKIKO SUZUKI
Our Japanese correspondent, Aiko from Pigeon Post , interviewed Akiko this summer.
By AIKO SHIMAZU 島津愛子
Posted: Nov. 2010

☞ in English


2010年、バンクーバーオリンピックには、氷上の表現者がいました。ー 彼女に出会うには、長い時間がかかりました。「あっこ」という愛称で親しまれている、鈴木明子選手は、もう25歳になります。けれども、7シーズン前のフィギュアスケート界には、この、ちいさな芸達者が 確かにいたのです。彼女は、精鋭揃いの日本チームの、次世代を担うスターでした。

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2009-2010FS West Side Story @ Vancouver 2010 Olympic Games  Brett Barden
2009-2010FS"West Side Story" © Brett Barden

17歳の 素敵な踊り手は、二年連続の全日本選手権4位(2001年, 2002年)という国内実績を携え、ISUジュニアグランプリシリーズ(JGPS)では、決勝で3位になるなど 活躍し、はじめてのシニア国際大会となった2002年四大陸選手権では、8位と健闘。彼女は、最初の 実りの季節 を迎えます。続く2002-2003シーズンには、好スタートを切り、JGPアメリカ大会で優勝。そうして、⋯なにかが起こりました。

GPS二戦目の中国大会、それがきっかけだった。 もう長い付き合いとなる長久保コーチは、そう述懐しています。鈴木選手は5位となり、二回目となるJGPファイナルを逃し、2003年全日本選手権では9位に終わり、
---それは、始まりました。
彼女は 摂食障害のトンネルに入ってしまいます。ようやくそのトンネルを抜けたのは、休養してやり過ごした、2003-2004シーズン後のことでした。

復帰した鈴木選手は、彼女の進む道に戻り、かつてのように、国際大会で数々のメダルを獲得。国内でも復活を印象付けます。2007年全日本選手権5位、2008年GPS日本大会(NHK杯)2位、そして、2008年全日本選手権では、鮮烈な演技で4位に返り咲きました。彼女が、忘れていた金メダルを その手に取り戻したとき。
---それは、本当に終わったのです。
鈴木選手は、ISU GPS 2009 中国大会で、優勝しました。

っつってねー!いわく「中国大会サプライズ優勝」なんて、ぜんっぜん当たってないんですよぅ!あっこちゃんは ただ、元のところに戻って来ただけなの!⋯『元サヤ優勝』ッ でもって!気高きレイディーは、自分の物語を突き進んでいる、と!⋯いうのを、月に向かって吠えておいて、鈴木選手は、このオリンピックシーズンに ベスト6として、初めてのグランプリシリーズ決勝に出場し、3位に輝くと、年末の"激戦"全日本で準優勝。オリンピック初出場を決めました。

もぅ!感動ものでしょおー?⋯さりとて、煽られすぎではあります。それに、エリート女性アスリートたるもの、己のための申し訳がキライな、オトコマエ なんです。どっこい!あっこちゃんは、そのウエ行ってんの!!自らが、たくさんの夢を奪う その摂食障害を克服した『あかし』にならん、と!深いエッジでもって 夢を描かん、と!⋯繰り返される質問や、「摂食障害」という前置きが 常につきまといますが、鈴木選手は、いつでも 前向きです。自らの存在が、病気のみんなの光明になれば、と願っています。


Resume: 2007-2009

そんなこんなで、あっこちゃん、まずは、復活の過程をお話し下さい。自分は、2007-2008シーズンが、言わば 曲がり角で、くるっと元の道に戻って、体調もよく・いいかんじをつかめたのかな、と思うのですが。特に、シーズン最後を飾った、オランダでの、2008エイゴンチャレンジカップ(優勝)では、さらなる物語が したためられたのではありませんか?
*鈴木選手御自身のエッセイ "Bellezza(英訳)" 参照。 paja306さんの心象絵巻な記事 と共に。
いくつか、エレメンツでは カケやヒビがあったようですが、あなたのプログラムでしたね!情感をつづれ織るように、あなたのステージで踊っていましたね。

続いて、愛されエキシの "Libertango" と共に、めざましい2008-2009シーズンに突入しました。リベルタンゴは、宮本賢二さんの振り付けで、⋯高橋大輔選手のリクエスト、なのでしょうか?また、NHK杯と全日本では、おおきな瞳の "Dark Eyes"(FS) でファンを泣かせましたね!

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2008-2009FS Dark Eyes黒い瞳 @ 2008 All-Japan National Championships  paja
2008-2009FS"Dark Eyes" @ 2008 All-Japan

それに、SPの "la Campanella" では、NHK杯の EUROSPORTS によると、「バレリーナのシゴトが、氷上へ!」「優雅なるひととき。」⋯を、もてなしましたね!

(1)あっこちゃん、2007-2009の2シーズンは、どういうかんじで進まれて行ったのでしょう?
*鈴木明子選手: ハイライト

とにかく、オリンピックに向けて、まず実績を積み上げるしかなかったので、自分がアピール出来るように、一試合一試合 力を出し切ることを念頭に、ひとつひとつの試合に全てをぶつけて行くかんじで、日々過ごしていました。それで、自分の評価を、先生方や周りの皆さんに見てもらおう、と。選手の中では試合数も多く、ハードだったと思うのですが、休んでいた分、それを積み重ねるしかなかったので、「今 自分に出来ることを、見せていきたい」、という気持ちで臨んでいました。

エイゴンチャレンジカップ優勝 は、それ(実績)が積もって来た!という鐘の音のように思うのですが、御自身ではいかがでしたでしょう。

いえ、試合の出来は、そこそこだったんですよ〜 ただ、結果として、最後に、あのようなエキシビションを生演奏で演じられたので、自分にとっては、「御褒美だなぁ。」と感じていました。

2シーズンのプログラムについてもお教え下さい。

いつもそうなのですが、このシーズンだからこう、というのではなく、先生達が「いいよ」と提示された曲と、自分のイメージが合えば、そのプログラムにしています。ただ "Titanic"(2007-2008 FS)は、前々からやりたかった曲で、自ら選びました。次のシーズンのフリーとなった "黒い瞳(Dark Eyes)" も、最後の部分でステップが踏めたら気持ちいいなぁ、と思って、選曲しました。前シーズンの "Titanic" から、イメージをがらりと変えたかった、という意図もありました。

"la Campanella" も、素敵でしたよ。EUROSPORTSのおじさんに同意です!

"la Campanella" は⋯ 難しかったです。自分がイメージしていたものは、もっとかっこよく!というか、もっと表現したかったものがあるんですけど。私にとっては 難曲でした。

えー。あっこちゃんの優美な面が、凛として、切り取られていましたよ。「この魅せ方!たまらないね!!バレエな腕使い⋯ 彼女は、氷上で、優しさと輝きをまとっているよ。」「実にモノがイイ!このキレ・しなやかさ!間違いなく・バレリーナ品質だ。」⋯そうですよ! by EUROSPORTSのおじさん

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2008-2009SP la Campanella @ 2008 ISU GPS NHK Trophy  paja
2008-2009SP"la Campanella" @ 2008 NHK Trophy

でも、消化不良かなぁ、って。一年では、仕上がり切れなかったです。

"Libertango" の経緯、というか、あれは 高橋大輔選手のリクエストなのですか?

実は、私、中学生の時に、リベルタンゴをショートでやったことがあるんです。その頃から、大ちゃんと 試合とか一緒に出ていて、彼が、その時の私のリベルタンゴを ものすごく好きで、ほぼ、憶えてたんです。

振りを?

一緒に滑ってたんです。ステップ完璧で、ジュニアの頃 いつも、「一緒にやろう!やろう!」って、練習の時、完璧に滑ってました。それで、エキシビションを作るにあたって、大ちゃんが、賢二先生に「あっこちゃん、タンゴが似合うよ!」っていう話をしていたそうで。「やっぱ、あっこはタンゴだな。」みたいな。このリベルタンゴが、賢二先生との初めての作品だったのですが、振り付けをお願いした時に、「もう、あっこちゃんはタンゴ、って決まってるから。タンゴだからね!」って言われて。そこから、タンゴを選んだのですが、いろんなタンゴを聴いた中で、最終的に、リベルタンゴがいいんじゃないか、ということになりました。

それが、Akiko Suzuki の代名詞になるような傑作になったわけですが、振り付けはすぐ出来ましたか?

全然出来なかったです。初めて 賢二先生と組んだ、っていうのもありましたし、ステップがものすごく難しくて。一番最初に、あのストレートラインステップから作ったんですけど、

ラストの拍車がかかるところですね。

あそこから、初日に作ったんです。それが、賢二先生とのはじめてのお仕事、だったのですが⋯ あれ、7時間かかりました。ストレートライン一本作り上げるのに。

!

私が、出来なかったんです。ハヤすぎて、ステップ数が多くて。

難産だったのかー⋯ それが、今や 大人気の演目で。

2008年のドリームズ・オン・アイス(: 日本代表チームのエキシビション)で初披露して、初めてスタンディングオベーションをもらえました。

2008-2009シーズンから、あっこちゃんのファンになった方が多いと思います。SP"la Campanella" → FS"黒い瞳(Dark Eyes)" → EX"Libertango"と、いろんな女性だ!って。

「三人の女性を演じ分ける」って、シーズン当初から 言ってたんですよ。

なぁーんだ、あっこちゃんの 思うつぼ かー⋯

そうして、なにかが起こりました!今度は、いいほうのがね!!2009GPSの出場大会が、中国とカナダに決定しました。
*カナダ大会は、鈴木選手が 2003年に、シニア初のGPSに参戦するはずだった大会。17歳のちいさなレイディーにとってのそれは、あでやかな魅力があり、病の少女を氷から離さなかった。

(2)2009-2010オリンピックシーズンを迎えられた、御心境をお聞かせ下さい。

オリンピックシーズンが始まる前は、立場的に、(3枠の)代表選考に絡める5人の一番下、だったので、もう、「追いかけるだけ」というか⋯ 追いかけて追い越して、「ただ突っ走るしかない」、と。よそ見している暇もなかったですし、立ち止まっている暇もなかったので、とにかく!突っ走ろうと思っていました。

「オリンピックに出るんだ!」っていう実感は持たれていましたか?

前シーズンの四大陸選手権(2009年2月)で、バンクーバーに行った時に、試合が終わってから、「絶対、ここに戻って来るんだ!」って自分に誓ったんです。それが本当に現実となって⋯ 今でも、夢みたいな話だなぁ〜と思います。

って!なにも、「夢みたい」じゃないですよ!

現実になったんですけど、でも、すごくドラマティック、というか。四大陸は、久々の Championships だったので、試合の期間中は いっぱいいっぱいで、競技のこと以外は何も考えられなかったのですが、試合が終わった時に、「もう一回、ここに来たい!」って。「上手くなって、もう一回ここに帰って来る!」って心に決めていました。


A story of West Side Story

CBC Sports の情報ですが、フリーの振り付けのお願いで、シェイリーン・ボーンさんに 直談判されたそうですね。こんな具合に。あっこちゃん:「私⋯ リバーダンス 出来ますか?」シェイリーン:「⋯ハァ?」自分も、「ほぇ?」ですよ!あっこちゃんが ボーン・クラーツの "Riverdance" がお好きで、シェイリーンも あっこちゃんの "Libertango" がお好き、というお話は聞いていますが⋯

(3)はたまた、どういう経緯で、フリーがリバーダンスではなくWSSになったのでしょう?

シェイリーンに振り付けをお願いする際に、私は、ボーン・クラーツのアイスダンスの "Riverdance" が好きなので、リバーダンスのメインパート('Riverdance')をフリーで使いたかったのですが、彼女が、「あれは特別だから」、って。シングルで、リバーダンス(: アイリッシュステップダンス/ラインダンス)と同じように足元だけで表現しようとすると難しい、と。⋯でも、やりたかった、っていう気持ちはあります。

いつかやって下さい!!

シェイリーンに振り付けてもらうにあたっては、彼女が持っている『私』のイメージ で作ってもらいたかったので、あえてこちらからはリクエストしませんでした。だから、ウエストサイドをやるなんて、私は想ってなかったです。彼女が、候補のリストを5曲位持って来てくれて、その中で、一番最初に直感的に、「私、ウエストサイドを滑ろう。」って、題名を見ただけで 思ったんです。

「題名だけ」で!?そりゃスゴイこと聞いた!⋯WSSの映画や舞台は御覧になってたんですか?

ある程度の話の内容は知ってたんですけど、音楽が、どの曲をとっても とにかく有名で。他の候補曲には、テイストの違う音楽もたくさんあったのですが、その中から、「あっ、ウエストサイドにしよう!」って。シェイリーンに初めて会った時、振り付けてもらう前に、「私は、この中だったら、ウエストサイドかな〜」と伝えたら、シェイリーンが、「私もイイと思う!」って。「黒髪で・目が力強いのが、マリアのイメージにぴったりだから」と。私は、作っている時は、そうでもなかったのですが、練習して行って、いろんなところで披露して行くにつれて、自信もついて来たし、「いい作品になった」と言われることで、ますます、マリアが自分のものになっていきました。ブロードウェイの日本公演を観たことも、自分のプログラムに良い影響を与えたと思います。

シェイリーンさんは、音楽においてもダンスにおいても、ファンタスティックな目利きですね!あっこちゃんの "West Side Story" は、WSSファンには たまらない音楽 で、同時に、あっこファンにも たまらない舞踊 ですもん!
- 'Jets VS Sharks' が幕開けで、冒頭3つのジャンプが用意されていますが、そこでのあっこちゃんは、'Jets VS Sharks' のように、たくましいです。所作のキレ、動作のハヤサ、スケートのスピード、それに 情熱が、色濃く 際立ってますね!"Titanic"(ステップ) や "Libertango" のファンは、こんなの待ってましたよぅ!
- 二番目のパート、'I Feel Pretty'[CCoSp] から 'Maria'[SpSq] には、「マリア、おる!」⋯しなやかで、やさしくて、ふんわりしたマリアが、夢に輝いていますね。こちらは、"Nocturne"(2006-2008 EX), "Bellezza", "la Campanella" 同様、繊細な透明感と ぬくもりに包まれます。
- そして、よろこびが あふれ出す!三番目のパート、マリアは 'Tonight' に乗って、後半1.1倍となる4つのジャンプと [FCSp]。音楽が味方になってますね!中国大会やGPF、全日本でも、まるで、すべてのジャンプを 音楽が飛ばせてくれてるみたいでしたよ。
- 続いて 盛り上がりも最高潮に、'Mambo'[SlSt] と 'Tonight'[FCCoSp] で踊り尽くしてますね。極上のパーティ、頂きました!"Firedance"(2006-2008 SP) や "Dark Eyes" が続いてるかんじです。
---って分かったァ!こりゃ、鈴木明子ベスト盤 ですよ!

(4)シェイリーンさんとの振り付けの様子 をお聞かせ下さい。

彼女の振り付けは すごく変わっていて、まず、ウエストサイドの中から使用する曲は、決めてないんです。どの曲を使うかは決めないで、ジャーンと、いろんな曲を流すんです。「この曲で、こんな感じに動いてみて〜」って。例えば、'Maria' のスローパート(スパイラル〜後半ジャンプ)は、'Maria' 'Somewhere' 'One Hand, One Heart' の3曲がリストアップされていて、どれを使うか決めずに、初日に、3曲試すんです。「ちょっとスパイラルしてみて〜」「ああ、あなたは Maria のほうが合うわね。」って。そこから、「明日には曲が出来てるわよ!」って。すると、次の日、4分になってるんです!ステップも、'America' と 'Mambo' が候補に上がっていましたが、私の動きを見て、彼女が 'Mambo' にしました。

⋯そういう作り方をしたのは、初めてです!でも、すごくテイストが細かくて。それこそ、パスカーレ(カメレンゴさん: 新シーズン2010-2011FS振り付け)は、あらかじめ アウトラインを全部作っていて、初日に、4分をほぼ通して、そこから詰めて行くんですけど、シェイリーンは、曲をかけながら、15秒間くらい、動きをずーっと見てるんです。

あっこちゃんという『素材』と、音楽という『味付け』の調和を吟味されてたんですね。料理人だ!!


Shizuka the Handsome Queen

で!そのマリアさんは、荒川静香さんの愛を、まとっていますね?中国杯/スケートカナダのWSSの衣装は、静香さんのデザインです。

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2009-2010FS West Side Story  paja
2009-2010FS"West Side Story"

(5)『あっこ & しーちゃん』のエピソードを、お話し下さい。
と、いうのも⋯ 静香さんは、とことんオトコマエでしょう、するってぇと、自身のためになるようなことは おっしゃいませんし、自分を飾られませんしね。とどのつまり⋯ しーちゃん、ぜったい、好感度を上げたがらない でしょおー?己の深イイ話を、詳しくしゃべってくれないよ。ってことで、そこんとこ、お聞かせ下さい。
2003-2004シーズン(?)のクリスマスに、ニューヨーク(ニュージャージー?)へ およばれした、という話を聞いたことがあるのですが。

あ、それは間違ってるエピソードなんです。

⋯風の便りめ、間違ってるぞ!

でも、私が休んでいたシーズン(2003-2004)に、しーちゃんはすごく心配してくれて。

ちょうど、静香さんが世界選手権で優勝されたシーズンですね。

私の状況を知って、シーズン前の夏頃から、「気分転換に、アメリカに遊びに来たら?」と言ってくれてました。ですが、旅行も出来る状況ではなかったので、叶わなかったです。

そうですか⋯ しかし、女王への道すがら、ずっと気にかけてくれていたのですね。


The Riverdance Suite

SP "Riverdance" の、2Aの出口に、マイケル・フラットレイがいますね。んがッ!マイケル・フラットレイとジーン・バトラーは、もっともっと、あっこちゃんに降りて来てたの!⋯自分の空想リンクでね。
*Michael Flatley / Jean Butler: co-choreographer & co-lead dancer of original Riverdance
そう!わたしに、なにかが起こったんですよぅ!SPが "Riverdance" になりそう、って聞くやいなや!ひらめいた!!

- 'Cloud Song' で始まって、[SpSq] ~ [2A] (35 sec.)
- 'Riverdance' のジーンのソロに続くところで、[FCSp] (38 sec.)
- スピンが終わってすぐ、'Reel around the Sun' のぐるぐる高揚するところ [3Lz-2t] (12 sec.)、
- 続くマイケルのソロで [step-3F] (15 sec.)、
- 曲の最後のパートの、マイケルと女性陣のラインダンスで [FCCoSp] (22 sec.)
+小休止+ キメポーズ
- 'Riverdance Finale' でのフィナーレは、 マイケルのソロ・タップパート+ラインダンスパート をアレンジしてステップの導入 [TRansition] (6 sec.)、
- 曲のラストを使って [横のSeSt] ~ [LSp] (42 sec.)
Total Playing Time は⋯ 2:50 !!
あっこちゃんは、緑の衣装で、'Riverdance' of Riverdance を踊っていてね、シェイリーンとお揃いなの。もういっこ、ベスト盤 生まれるの!⋯てめぇの空想のリンクでね。アァ、空々しィ!
*'Cloud Song' 'Riverdance' 'Reel around the Sun' 'Riverdance Finale' を見れば、リバーダンスが まる分かり!

ISUのリンクでは、リバーダンスのフラメンコ をもう一度踊っていますね。'Andalusia' と 'Firedance' の編集です。
*冒頭は 'Pipes Riverdance'、宮本賢二さんの振り付け

(6)どういう風に プログラムを作られたのでしょう?

"Andalusia / Firedance" は、自分が好きな曲で、私に合っているかな、と思って⋯

合ってます!合ってます!

振り付けをし直してもらいました。
*2006-2008 SP"Firedance"
リバーダンスの、マリア・パヘス(Maria Pages)さんのフラメンコのパートもすごく好きなんです。

火のようなフラメンコですよね。あっこちゃんのフラメンコは、粋に燃えてます!

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2009-2010SP Riverdance @ Vancouver 2010 Olympic Games  Brett Barden
2009-2010SP"Riverdance" @ Vancouver 2010 Olympic Games © Brett Barden

自分の空想の "Riverdance" は、リバーダンスへのオマージュでもあります。マイケルは、芸人の中の芸人で、ジーンは、エレガンスの人。いずれも 端麗でキレがあり、自分の空想のステージでは、ふたりは あっこちゃんとつながっています。他のダンサーも 皆さん、素晴らしいですよ、もちろん!

(7)あっこちゃんも リバーダンスがお好きなようですが、リバーダンスのすきなところを お教え下さい。

リバーダンスの公演を、大学生の時観たのですが、ものすごいエネルギーを感じて。最後に、パフォーマンスがピタッと止まった瞬間、体全身にバァーッと鳥肌が立つような感じで、沸き上がるものが、自分の情熱に近いと思いました。

真ん中の主役二人が、顔を見合わせながら、ラインダンサーやお客さんや音楽と共に上り詰めて行く、あそこですね!

そういうエネルギーがすごく好きで。波動が合う気がします。


Caribe:  Jazz up!

あっこちゃんの踊りは、コマ数が多いですね。コマは、その 動きのハヤサ によってたくさん作られ、氷で滑ることによって、なめらかに流れています。そう!永ちゃんのテレビ だ。それが、究められていて、より鮮明に見えるのが、ジャズィーな EX "Caribe" で、これまた 賢二さんの振り付けですね。

(8)"Caribe" の振り付けについてもお話し下さい。

「リベルタンゴの次」というエキシビション を考えた時に、まず、曲を決めること事体がすごく難しくて⋯ でも、「まったく違うもので、明子にしか出来ないものにしたいね」って、あまりにも難しい曲を選んじゃったんです。

その「あまりにも難しい曲」が!「あっこちゃんにしか出来ない」プログラムになってましたよ!

ジャズって、元々、弾いている側に『ノリ』の部分がありますよね、だから、振り付けも、あまり カッチリとは決めすぎないで、こっちも『ノリ』で滑れるように、と。

その『ノリ』が高じて、全日本の頃には、初披露の原型とは 相当変わってましたよ!振り付けの賢二さんは、どういう風に御指導されてたんですか?

ええ、もう、「『ノリ』でやって。」って。

ええー!もう、『ノリ』ばっかりになっちゃった、って訳ですね。

これまで以上に、ハヤイ動きがちりばめられているのは、意識的に、ですか?

それは、曲と音に合わせて、なのですが、ハヤイ動きが得意、というのもあるので。でも、お客さんが手拍子出来ない曲なので、盛り上げ方が、すごく難しかったです。

⋯こまやかで、しなやかで、華やかで、軽やかで、鋭く、ハヤく、「感じたままに動く」、というあっこちゃんのカリブで、ジャズィーに酔ってたお洒落さんも、大勢いらっしゃったはずですよ。詩情たっぷりで、あっこちゃん爛漫の作品です!

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2009-2010EX Caribe  paja
2009-2010EX"Caribe"


Spin Craftsman

あっこちゃんは、いわゆる「トータルパッケージ」の女子選手です。最近の上位選手は みんなそうですね。魅惑のステップ・鈴木明子 (by チュッキョさん) ⋯な あんばいで、ステップのことは 称えられていますが、スピンも、実に 見事に、花開いてきてませんか?
- GPS2大会・オリンピックでは、あと一つで All-Level4、四大陸では All-Level4 でしたね!
- 昨季からは、おなじみの CoSp に替えて CCoSp が入っているので、基礎点も上がってます。⋯たったの0.5点ですが、アップグレードはアップグレードです!
- レベルの要素として、新しく、レイバックの[spinning of both edgeチェンジエッジ]と、キャメルの[second difficult variation: キャッチフット]が お目見えしましたね。

(9)2009年の夏の間に、ずいぶん練習されたのですか?

そんなに、「強化した」ということはないのですが、ジャンプが少しずつ安定してきたので、その分 スピンに時間を使える、というか、自分の中で、「もっと ここをこうしたほうがいい」というように気を使えるようになった、と思います。

試合でも、ジャンプが決まることで スピンに余裕が生まれたのですね。

トリノ世界選手権後の記事で、「スピンが弱点」とコメントされていたように伝えられていたのですが⋯ むしろ、海外解説者の方なんかは、あっこスピンがお気に入りの様子 ですよ。ヘアカッター(レイバック)のチェンジエッジ、Y字(アップライト)から足替えでのブロークンレッグ(シット)、キャメルでのボディコントロール&バランス、キャメル・レイバック等 両手が空くポジションでの、音楽的なアームワーク、ポジションへの入り方/移り方の創意工夫とか。

⋯うれしいです。でも、柔軟性があるほうではないので。ビールマンも出来ませんし。もっと速く回りたいですし、スピンは課題です。

⋯これぞ、完璧主義だ。
*2010-2011シーズンより、レイバックスピンのレベル要件から[チェンジエッジ]が外れたため、「レベル4のためにはビールマン入れなきゃいけないんですよね⋯」と語っていた鈴木選手。そのビールマンの行方は、SP"Jalousie" にて、乞う御期待!

今季のキャメルでは、仰向けの新ポジションや、バタフライも入っていますね。

「新しい」というか、普段から、いろんなことをやっているので。レベルの関係もありますし、練習をするからには、いつも同じことを、毎年するわけにはいかないです。普通は、みんな そうですよ。それに、スピンは、日々変化するものだと思います。


Pumpin' Akko for Jumps

さて。あっこちゃん、あなたも、悪魔に つかまっちゃいましたね。女子の敵・"e" とその相棒 "!" - ヤツら、この先ずっと、ついて来やがんだ。それだけ、あっこちゃんが ツワモノになった、ってことですねぇ⋯
*2010-2011シーズン、フリップ/ルッツのエッジ警告"!"は、エッジ違反"e"へと脱皮を遂げた。
それはそうと、以前は、フリップが ややエッジ違いだった ところ、修正して、カンペキなフリップになった。と・思いきや!かわりに、ルッツの違うやつ、出て来たよ!!とっておきのルッツ、どこいったの!

(10)あっこちゃん、どういうことでしょう?

自分は、全部ルッツだったのですが、やっぱり、「フリップに直そう!」と思って、直し始めたら⋯ 私は、あまり器用なタイプではないので、どちらかになりやすいんです。フリップに直したら、ルッツもフリップになっちゃうし。

それは、エッジの問題ではなく、タイミングが、両方同じようになってしまうんですか?

いえ、エッジです。飛んで行く方向が、アウト(ルッツ)だったら外側の軌道・イン(フリップ)だと内側、という使い分けが出来ないんです。

へぇー。エッジの感覚って、とーしろうの想像以上に、すごく似てるんですね!3,4mmの世界だもんなぁ。

でも、今、ルッツは大分直したので。判定はどうか分かりませんけれど⋯

GPFからは、キレてるループと、更正したフリップを、ルッツの替わりに使いましたね。GPFでは、ショートのステップ-ループがダウングレードデビューになっちゃいましたが、これが、奏功しました!ルッツが3回(SP1/FS2)入っているということは、3〜6点ボッシュートになるかもしれないし⋯ って、そんな矢先!お話のように、あっこちゃん、ルッツ、直しちゃったよ!!四大陸から、リコールされてませんね。

(11)今季は、どのジャンプを1stチョイスにされるのでしょう。ルッツ・フリップか、それとも、他のジャンプをお考えでしょうか?

「四大陸から ルッツが直った」っていうのは⋯ コーラーの判定によります!

そ⋯そうだったんですか?

今季は、ショートの構成はルッツ・フリップで、フリーで2回入れるのはルッツ(とループ)で行く、と 今のところは決めています。

それから、フリーの、【2A-3T、または 5種7トリプル】の野望 の件です。中国大会では、2A〜2Aのシークエンスに変更しましたね。最初の2Aを降りたときに 決めた、と説明されてました。あっこちゃんの2A〜2Aなら、GOEの加点ももらえるだろうし、こりゃ、とんちが利いてますね!GPF以降は、3T〜2Aのシークエンスで、5種7本のトリプルジャンプを構成し、GPF・全日本では5種7トリプルを揃えましたね!

(12)2A-3T(及び2A~2A)と3T~2Aは、横一線で 選んでいくかんじになりますか?それとも、2A-3Tを、これまでの様に 最優先されますか?

これはもう、2A-3Tです。

エキシビションでも、バンバン跳んでますものね!

コンボのセカンドの3Tについて なのですが、長久保先生を特集した番組で、あっこちゃんが3-3を練習されている様子が映っていて、ファーストジャンプのランディングでセカンドジャンプに持って行くところ を練習されているように思ったのですが?

タメ、ですね。

テイクバックみたいに、ファーストジャンプの流れを活かして→セカンドを跳ぶ、っていう形で?

そうです。そうすると、必然的に、ファーストジャンプが良いジャンプでなければならないので、それが、単発のジャンプの練習にもなります。私は、力で跳べるタイプではないので。男の子達みたいに、降りてちょっと止まってても力で3回転付けられるようなタイプではないので、やはり、『流れ』の中でジャンプを跳ぶ、という。

御自身のジャンプの持ち味を活かして、ということですね。⋯男子は、テイクバックというより、体勢を整えてから→セカンドを跳んでるのかぁー。

それは、力で跳べるからですよ。ヨナも、『流れ』の中で跳んでるので、ああいうかんじを目指しています。

練習なさっている3-3の種類は?

(5種類)全部に、3Tを付ける練習をしています。

なるほど。全種類に、シークエンスで2Aを付けるようになられて、重宝されてましたものね。


"Let's Dance!"

こちらは、あっこちゃんみたいに、ダンシング・クイーンになりたい女の子用 のお話です。

あっこちゃんは、よく、自分で振り付けをアレンジされています。
- EX "Caribe" は、お話のように、毎回アタラシイし、
- 毎度のように、FS "West Side Story" も、どんどん洗練して行くし、(例えば、'Jets VS Sharks' の、指パッチンの後の振り ですとか、五輪での、'Mambo'のステップと'Tonight'のFCCoSpを繋ぐ、ショウマンシップなトランジション ですとか。)
- SP "Riverdance" では、アイリッシュ-フラメンコダンサーが、氷の上でも、ずーっとフラメンコしてますね。毎回変化する、フィニッシュポーズの腕の降ろし方 まで気を配られています。それに、スパイラルの3番目のポジション、6秒の間に、ファドの音楽に染まって 哀愁してますね!

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2009-2010SP Riverdance  paja
in the Spiral sequence of 2009-2010SP"Riverdance"

- 細かすぎて伝わらない話 ですが、スパイラルに入る前の 足ばらいの仕草とか、個性的なブロークンレッグスピンにあしらわれた 手の仕草など、麗しいかぎりです。あるいは、Y字後の フリーレッグを降ろすとき、それさえも工夫しよう、と なされていますね?
- 「この手さばき、だいすき!」 っつってねー、細かすぎて伝わらない、EUROSPORTSさんのお話もございましたが、あっこちゃんの、腕の関節を駆使した動きは、ハーモニーです!肩-肘-手首-てのひら-指 が、よーく働いてますね!格別なのは、キャメルスピンとレイバックスピン!その手さばきで、味わい深く 音楽を表現されています。

--- タ・ン・レ・イッ

にもかかわらず!そのアレンジは、こどもの頃からの、『くせ』だってお話じゃあ・ございやせんか!女の子達が、その!『くせ』を身につけるためには ー あっこちゃんいわく、「感じたままに動く」ためには、

(13)どういう風にすればいいでしょう?どんな練習が考えられますか?

私が、踊るために なにか努力している、っていうことは特にありません。

!?

ただ、曲を聴いた時に、「こんなかんじで動けたらいいな」ということをいつも考えたり、とか。

いつも、音のイメージを持たれてるんですね!

イメージがあるんです。だから、今回のエキシビション("The Tennessee Waltz")も、私が作ったんですけど⋯

!! もしや、そうかも。と想いましたよ!

初めて、自分の想ったものを、カタチにしたんです。結構前から、「この曲、こういう風に滑ったらいいな」というイメージがあったので、ちょうど 新しいエキシビションがなかったものですから、ここ1週間で作りました。

!! 一週間で!あそこまで作品が創れてるよ!!

ー そういう、『感性を大切にする』というか。何事にもそうですけれど。
単純に言えば、いろんなことに感動出来て、「アッ、すごいな。」と思ったり、音楽を聴いて、「わぁ、いいなぁ。」と思ったり、なにかの踊りを見て、「わぁ、この人の体の動き、すごいな!」って、敏感に感じ取ること が、自分の動きにも活きるだろう、と。シンプルですが。

いつも生き生きとされているんですね!

フィギュアスケートのシングル、というのは、すごく特殊なステージだと思うんです。たった一人、360°の大観衆に囲まれて、広いリンクを速く長く移動しながら、いろんなエレメンツを行いながら、という。踊ろうとしても、どこに向かって踊って・どこを見たらいいものか、って困ってしまいますよ。あっこちゃんは、前方や審判席客席を見ているだけじゃなくて、その目力で空間を見やることで、雰囲気を創られていると思うのですが、 目線の利かせ方をお教え下さい。

自分がエネルギーを出したい場所に、ふっと目線を留めるだけでも、印象に残ります。というか、『顔』のポジション がすごく重要になると思うんですけど、ターンをする時に 顔をふっと残すだけでも、全然違うと思うし、目線でも、上から見るのと下から見るのでは全然イメージが違うので。でも、そういうものは、私が自分でやってることなので⋯ 「どうしたらいいか」っていうのは、説明しにくいのですが、目線から伝わるものがある、というのを意識するといいのかな、と。

スポーツでもあるから、目線は表現というより、距離やスピードを測るために働いていますよね。

ジャンプの前は別として、踊りの部分では、「自分がこういう風にしたい」っていうものを、目でも伝える、って意識すると、いいのかなって思います。「習う」というものでもないのかな、って。

「意識する」ことですね。

見せたい!っていう気持ちが強いひとって、目線もしっかりと付けてるから、そういう意識を持ってやる、ということが大事なんじゃないかな、と。

女の子達が、あっこちゃんみたいな、オルタナ・ダンサー になりたい場合、つまり 色々な音楽を踊りこなしたいとすると、

(14)どういうアドバイスをされますか?

私は、踊りを、特に習ったことはないんです。自分が見たままを、表現しているだけで⋯

!? 踊りはなんにも?

昔、小学生の頃、バレエやジャズダンスをやっていましたが、かじっている程度で。タンゴを習ったこともないですし。

へぇ!? じゃあ、ヨガだけですか?

ふふ。ヨガは踊りじゃないですよ。

へへ。踊りじゃないけど、他に、トレーニングで取り入れられていることは?

ヨガとピラティスだけです。私、結構 筋肉が付きやすいので、「筋トレしてるの?」と聞かれるのですが、なにもしていません。

へぇー!? それでその 筋肉質×しなやかさ ですか?

スケート筋 です。

「スケート筋」? ⋯体操でもバレエでも他の舞踊でも、習ってると、「姿勢・姿勢」ばっかり言われて。「重心は頭に・頭から吊るされているように」って。で、あっこちゃん、そうなってますよ!?

昔、猫背だったので、母に すごく注意されて。気を付けていて、直りました。

自力で、その姿勢にされたんですか!

母の成果です。

ー アドバイスとしたら、いろんなものを感じ取ってほしい、ということです。見るもの・聴くもの・肌で感じるものを、敏感に感じ取ってほしいなぁ、って。『感覚を研ぎ澄ます』、って、私は いつも思っています。

よし、女の子達、自力で!色々感じ取ろう!


Olympics - act 1: winter, so intimate

GPSカナダ大会では、5位と、キビシイ展開でしたが、大会前後から、たくさんの声援とまごころが、ゲストブックに 満ちあふれていましたね。

⋯ところで、あっこファンは、みんな、よい人のようです。そう、あっこちゃんのようにね!よい人すぎて、たのしいよ!こんな具合に:
『人はこんなに輝けるんですね。』
by まむちゃん 2009/11/01(日) 01:31
たった今、(中国杯を)テレビで拝見しました。「いつまでも、鈴木さんの滑りを見ていたいね。」と、家族で話し合いました。
*akiko-suzuki.com 掲示板 より抜粋
⋯「人はこんなに輝ける」って「家族で話し合った」っつって!

さておき、みんなが言ってることを 要約すると、こうです。: --- 氷と音楽に乗った、あなたの踊りが すきです。あっこちゃん、あなたらしいスケートを お願いします!⋯ってね、あっこちゃんのエレメンツは、あっこちゃんの踊りのパーツだってことを、皆さん お分かりなんです。それは、たいせつなことだ、って。でもって!そのパーツが、踊りから取り外せる、ってことも、分かりました!カナダ大会のフリーでは、踊りをちいさくして、エレメンツのほうにマックス で臨まれましたね。: 5種7本のトリプルジャンプ(内4本は後半)、3-2-2入りで、いくつか失敗はあったけど、転倒は無し。; 2つの Level4 と1つの ほとんどLevel4 のスピン; Level4 のスパイラル と Level3 のストレートライン ステップシークエンス。これは、女子選手には たいへんなエレメンツですが、最後の、3Lo〜2A、3S、根性キマッてましたね!

(15)スケートカナダの期間は、どういうことを考えられていましたか?

2008-2009シーズンのGPSは、1試合のみの出場で、ファイナル進出ということは考えないで NHK杯だけがんばった、というかたちだったのですが、このシーズン、中国杯で優勝した後に迎える2戦目、にあたって、「こんなにも、気持ちの持って行き方 が難しいのか」と初めて感じましたし、「ああ、こうやって世界の選手達は、いつも戦って行ってるんだな」と初めて感じることができました。自分は、気にしないようにしていても、プレッシャーというか⋯「1試合優勝しているんだから、当たり前に ファイナルに行けるんだろう」、という周りからの期待が、私もですし、コーチも「重圧になっていた」と言ってました。

フリーのWSSの後、ファンの皆さんは、「ジャンプとかはいいから、とにかく踊ってくれ!!」って、書かれてましたよ。それに、静香さんも、解説で、「んー。いつもと(演技が)違いますねー。」って。

フリーは、ショートの評価を見て、がっくりきてしまった、というのもあって⋯ あのセカンドマーク(PCS: 演技構成点)の点数は、ショッキングで。気持ちを持って行けなかった、というか。「どうしたら 認めてもらえるんだろう?」って。ただ、「そんな、1日じゃ なにも変えられない。」そんなかんじでした。でも、それがあったから、気持ちが吹っ切れて、ファイナルへ向かって行けた、というか。スケートカナダがあったから、もう一回、気持ちを立て直せました。

大会期間のあっという間に、悟られたことが大きかったのですね。

そして、グランプリファナイル。ジャンプの作戦も成功、踊りも大成功、でもって、銅メダル、ですよ!あっこちゃん。⋯そうそう、「まむちゃん」さんも、また 家族会議 を開かれたそうですよ!そうして、ついには!全日本で、バンクーバーの切符もつかみました!全日本のSP後に、「オリンピックや得点や結果のことが 頭にはありましたが、『でも、私には、見せたい演技があるよね?』って、自分に言い聞かせていました。」とコメントされてましたね。その演技を、魅せました!!ファンやお客さんは、その演技、受け取りました!!そう!「まむちゃん」さんちの家族会議も、なお輝いていたことでしょう!

(16)あの、激動の12月。どういう決意で、GPF、全日本、と向かって行かれたのでしょう?

スケートカナダからGPFまでは、もう、守りに入ることはなかったですし、「とにかく、やるしかない!」っていう気持ちで。ちょっと引いてしまっていた気持ちが、また、そこから 挑戦へと向かって行けました。⋯自分でも、『負けず嫌い』が、発揮出来たかなぁ〜 と思います。

GPFで3位になった時点で、もう大分、選考規定上では あっこちゃん有利かなぁ、という感もありましたが?

でも、全日本での結果で、最終的な決定、だったので。

最終審判、ですね。

だからと言って、なにかを変えることはなく、練習は いつも通りに、今までやって来たのと同じように調整をして、全日本に向かいました。

「私には見せたい演技があるよね?」って言い聞かせていたのは⋯ カナダのこともありましたし、『自分が、どういう演技をしたいか』という。もちろん、"人"が見て、点数を付けるんですけど、『"自分"が、まず、どういう演技をしたいか』っていうことが、あまりにも、自分の気持ちの中で、置いてけぼりになっちゃってて。『"人"が、どう評価するか』ばかりを考えすぎていて、自らがしたい演技が分からなくなったから、「自分には、したい演技があるんだよね?」って自問自答していて。それは どういう演技か、ということを常に考えるようにしていました。

四大陸のフリーも、ちょっと守りに入った演技をしてしまったので⋯ ジャンプの内容的には そんなに悪くなくても、気持ちが 落ち着きすぎちゃったらパワーがないし、と。兼ね合いが難しいな、と思っていました。

普通、TES(: 技術点)の点数が高ければ それでいいはずなのに、みんな、「今日は踊ってない!」とか「踊ってくれ!」とか、「レベルは揃った、だが 踊ってなかったッ」とか、めんどくせぇこと勝手に言って。でも それは、見ている者と、あっこちゃんの気持ちがシンクロしている、ということですね。心が通じるから、幸せな作品になるのか。

私がびっくりしたのは、全日本のWSS演技後に、「ああ、今 全日本だったんだ。」と思い出した、とコメントされていたことです!【全日本で五輪代表選考中】という一世一代の一大事を忘れてらしたんですか!?

うん、もう入り込んでて。だから、転んだ時 笑ってたんですよ。
*序盤の3回目のジャンプ3Lo着氷後に転倒
今考えると、全日本で転んで笑ってる人 なんて、普通 いないですよね。

いないです!いないです!しかも!笑顔でターン入れて「やっちゃった〜♪」みたいなアドリブ付けてましたよね?

あれは、練習通り、というか。きっと、練習だったら、先生達、「何 (変なところで)転んでるの〜」って笑ってるだろうな、って。あの時 コーチ達は、「このー1点のディダクションで負けたらどうしよう」ってヒヤヒヤだったらしいのですが、私自身は、まったく!そんなこと不安じゃなくて、

私も私も!

「あー、転んじゃったー。」って。

「あー、転んじゃったー。」って。「アドリブしてるー。」って。

それだけでした。だから、それが 自分でもすごく不思議です。すごく入り込んでいたんだと思います。もう、なんにも考えてなかったので。転んだ後、次のジャンプでどうしよう、とか、まったく考えなかったです!

⋯前代未聞とは、まさにこのこと ですよ!!

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2009-2010FS West Side Story @ 2009 All-Japan National Championships  paja
2009-2010FS"West Side Story" @ 2009 All-Japan


Olympics - act 2: bud, to spring

そうして、2010年五輪イヤー!あっこちゃんの第二幕が始まります。1月の終わり、四大陸では、エレメンツをお色直しされていましたね。(試合では見られませんでしたが、)ルッツからのコンビネーションジャンプ、ショートの step-3Lo、再編されたファイヤーダンスステップでは、レベル4マークが付きました!

(17)五輪へ向けての練習は、いかがでしたか?特に、ジャンプでは、ウエストサイド・コロシアムでGOEを積み重ねられてましたが?

ジャンプに関しては、質のいいジャンプにする、ということをずっと練習していたので、その結果が少しずつ出て来た、というか。

ちょうど、「五輪フリー」という大一番で、成果が表われたのですね。加点もたくさん付きました!あっこちゃんのジャンプの持ち味だと、5. good extension on landing 流れのある着氷 と、6. good flow from entry to exit 全体に流れのあるジャンプ の加点要素2つに該当して、決まった場合、GOE+1を大体もらってましたね。タラ(リピンスキさん)も褒めてましたよ。⋯ジャンプ得意だったひとは、ジャンプ褒めるし、スピン得意だったひとは、スピン褒める、ステップのひとはステップ、サーシャ(コーエンさん)みたくアーティストなひとはアーティストリィー、ってかんじで。

うれしい⋯ でも、目指すところは、そういう、オールラウンダーな、なんでも出来るスケーター がいいので。

だから、「五輪へ向けて」というよりも、よりいい演技をするために 練習していました。全日本で ほぼノーミスの演技をして、じゃあ、次は何か、となると、質のよいものをひとつひとつ積み重ねること なので。特別なトレーニングをした、ということはないです。

四大陸以降、ショートの'Firedance'のパートの新ステップで、上体の振りがかなり変えられていましたね。踊りが上下左右に繰り広げられているし、一段と 緩急が眩しかったです。ショートでもフリーでも、ステップは、まったく 陸の踊りのように、コアを使って、上半身と下半身/左右の足腕の方向性を変えて 空間的に"ヒネリ"を出すような、あるいは、それぞれの部位を時間差で動かして "ま"を使うような、レベル4の条件である[FULL use of upperbody movement 上体全体を使った動き]に魅せられました。自分は、特に 四大陸から、(首を使って頭を動かして)『顔』も踊っているなぁ、と思って見ていたのですが?ほとんどのターンで、頭を別個にして回っていたり。陸の踊りでも、なかなか出来ないことです。

それは⋯「やったら、(レベルが)上がるかなぁ。」と思って、ただ やっただけです。

って!やったらすぐ出来ちゃったの!? ⋯で、やったら、実際、四大陸のショートでレベル4が取れましたね!御自身では、他の試合のステップに比べて どこが良かったと思われましたか?

判定は、コーラーによります。私達が決めることじゃないので。だって、みんな、レベル4を取るためのエレメンツは入れてると思います。それを評価してもらえるか・もらえないか ということをふまえて、「じゃあ、次 こうしてみよう」と取り組んだまでで。

シーズンを通して、ステップで 同じことをずっとやっていたら、だんだん、「簡単そうに見えてくる」ってよく言われるんです。だから、先生達が どんどん足していっちゃうんです。最初のうちは、ステップが難しいから、いっぱい動いているように見えるんですけど、だんだん、「なんか、簡単そうにやってるから やだ。」って言われて、どんどん、難しくなって行くんです。でも、それも おもしろいので!

そうやって、ステップを踏みながら、創り上げて行くんですね。

'Firedance'にも'Mambo'にも、ハイドロみたいな形で沈んで→クリンッと回る動き が入っていましたが、あれ、なにかの技なのでしょうか?2007-2008シーズンのステップにも入れられてましたね。

いえ、なんでもないです。ただ、「しゃがんだらいいかなぁ。」って。

⋯そうなんですか!?他にやってる選手も見ないし⋯

ハヤク動いてバッとしゃがむと、見ている側はハッとされるじゃないですか。ゆっくりしゃがむのは、みんなやってると思うんですけど⋯

アァ!そうか!!そういえば、ゆっくりなのは ありますね。ハヤイから、「オゥッ!?」ってなるんだー!

それを目指しています。

なるほどー。あ、じゃあ、コレになにか名前付けますか!

あ⋯ いいです。フフフフ。

ヘヘヘヘッ

やろうと思えば、みんな、出来るんで。

一方では、お話のように、四大陸のフリーは「弾けるようなプログラムにならなかった」、とコメントされてましたね。冷静な試技の中で、情熱の演技を見せなくてはならない、というように。四大陸以降、エキシビションに戻された "Libertango" がそうであるように。

(18)"Libertango" は、どういった意図で戻されたのでしょう? また、バンクーバーに向けて、"Libertango" を演じることで、 なにか得られたものがございましたら お教え下さい。

リベルタンゴを滑ろうと思ったのは⋯ 前年の、久々の四大陸では披露出来ませんでしたし、あまり、国際舞台のエキシビションで滑ったことがなかったからです。この四大陸でだめだった自分を、振り払いたかった、っていうのもあります。

やっといて、よかったですか?

ハイ!

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2008-2010EX Libertango @ 2010 4CC  paja
2008-2011EX"Libertango" @ 2010 4CC


Olympics - act 3: for Happy 4 Minutes

バンクーバー。アイリッシュ-フラメンコダンサーは、大変な日になりましたが、マリアは!「音楽と共に、歌うように滑れた。」、「幸せな四分間」でした!「鈴木明子自身に戻った」マリアさんが、そうお答えでしたね。それが、あっこちゃんのオリンピックでしたよ!!

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2009-2010FS West Side Story @ Vancouver 2010 Olympic Games  paja
2009-2010FS"West Side Story" @ Vancouver 2010 Olympic Games

(19)なのですが、細かすぎて伝わらない話もお許し下さい。

#1
「マリアは、歌うように滑れた⋯」って!実際に!驚くべきことに!!オリンピックで、歌ってましたね!スパイラル、'Maria'の出だしで、マリアさんが「マリア〜♪」って、歌ってましたね! 御記憶ですか?

'Maria'は、いつも歌ってます!

ナヌーーーーー⋯

#2
マリアさんは、装いを新たにされてました。ポニーテールで、デイドレスをお召しでしたね! これまでに変遷がありましたが、どういう風に、この五輪スタイルが完成したのでしょう。

最終的にオリンピック出場が決まった時、ウエストサイドのイメージは、あまりきらびやかなものではないのですが、「オリンピック」という舞台を考えて、周りからのアドバイスもあって、ああいうのにしました。

ブロードウェイのバックステージで、いろいろと衣装を御覧になってましたが?

全然 違うものになりました⋯ でも、必ずしも、ミュージカルと同じような衣装を着るわけではないと思うので、曲のイメージを考えて。劇中のマリアは、赤は着ないですしね。あと、リンク映えするかどうかで、決めました。

「オリンピックに来たわ!」ってかんじだ、って。ドン小西的なアメリカのメディアで、評判でしたよ。

初お披露目となった四大陸から さらにリメイクして、ノースリーブにされましたね。デイドレスになって、より、あっこちゃんのWSSのイメージでした。

元々、あまり、袖があるのは好きではなくて。「あなたは、腕を出したほうが健康的だよ」って言われますし。

そうですよ!みんな言ってますよ!踊ってるあっこちゃんの、腕や背中〜首筋まで行き届いた、繊細かつ迫力のある、筋肉の『流れ』を堪能したいですよ!

私自身は、なるべく 腕と背中は出したいんです。

出して下さいッ!!

フフフフ。

えへへへ。

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2008-2010EX Libertango  paja
2008-2010EX"Libertango"

#3
そして、マリアさんはさらに弾けてましたね!マンボからトゥナイトまで、さらにアレンジが加えられていたし、なにより、長い時間をかけて調整されていた、最後のレイバック(バックワード)スピンのアームワークです。3パターンあったと思うのですが、
・全日本までは、抱きしめるようなポジション、"愛"ですね!
・四大陸では、拳をクロスさせるポジション、"祈り"で、
・五輪本番では、腕を逆から組むポジション、"祈り"が、よーく見えました!
アレンジ過程の様子をお聞かせ下さい。

あれは、別になんにも考えてなくて。

!?

私、結構 アドリブが多いので、

って!「なにも考えずに」出来るんですか!?その時々で?

ハイ。別に、「こうしよう」って想ってないんです。

へぇ!?じゃあ、「自分がこの形にしたら、こう見える」って、動く前から分かってる、ってことですか?

うーん⋯

きょとーん。じゃなくて!四大陸の時 拳をクロスしてたのを、オリンピックでは逆から組んでましたよ!憶えてらっしゃいますか?

全然憶えてないです。なにやってたか。

エ゛ーーーーーーーッ

うふふふふ。

「憶えてない」んですかー!?アレは、御自身のVTRを研究されて、編み出された形 だと想ってましたよ!!

その時の自分が、勝手に動いたままです。

えー⋯ "気持ち"の形、なんですね?

ハイ。

そうか。こころの形が、=アートですものね!⋯いやはや、文楽みたいに、人形使いが人形を動かしているのかと想ってましたよ。人形使い(鈴木明子)が人形(鈴木明子)だから、鬼に金棒だ!って。技巧じゃなくて、ソウルなのか。

練習の時も、まったく同じショートやフリーの曲を、毎日かけるじゃないですか、でも、その時の気持ちとかノリとか、先生に怒られたりした場合に、まったく、作品が違うものに見えますよ。すっごい力強いウエストサイドの時もあれば、すご〜く柔らかいマリアがいる時もあります。で、例えば、自分が その時々でやったことに対して、先生達が「今の動き、いいね!」って言ったものが、取り入れられたりするんです。私の自然な動きに、「今の、見栄えがよかったから、もうちょっと大げさに動いてみたら?」っていう風に。だから、私の場合、先生が「こうやって動いて」というのではなく、自分がこう動いて、「今の動きいいね!」って言ってもらえると、「じゃあ、もっと大げさに動いてみます!」ってやりながら、どんどん作品が出来てくるんです。

そこまで、御自身の作品に携われているとは!踊りの面では、プロデューサー(先生達)とアーティスト(あっこちゃん)の関係みたいですね。


Akiko Suzuki 2010-2011

フィギュアスケートというものは、コインのような形をしているなぁ、と想うのです。片方は、ルールに沿ったアートで、もう片方は、スポーツです。ときに、アートとスポーツの どちらかがどちらかより価値がある、と ケンカになりますが、これは そもそも、ひとつのコインで、フィギュアスケーターそれぞれのものですから、アートとスポーツに、優劣はつけられません。そして、そのコインは、フィギュアスケーターの『アート』です。

アートが、イメージをカタチにすること であるなら、私達がスポーツに挑戦するとき、スポーツは、自分を『作品』にすることだ と思い当たります。スポーツには、タイミングのイメージ、モーションのイメージ、そのふたつを合わせるイメージ が求められます。精魂を捧げて、イメージに挑戦する。それは、アートそのもの です。⋯自分の空想のセカイでは、です!

(20)そいじゃ!あっこちゃん、最後の質問です。今シーズン、自分を、どんな『作品』にしたいですか?

今シーズンのテーマとしては、オリンピックを経て自分が感じたものを、自分で消化して、今度は、次の進化につなげる、というもので⋯ まだまだ、私、止まりたくないので。まだまだ、前に進むんだ、っていう気持ちを持って、今シーズン臨んで行こう、と思っています。

「止まりたくない」っていうの、イイですね!

止まらずに、前を見て、これまで歩んで来たように、これからも進んで行きたいので。技術的にもそうですし、気持ちの面でも、もっともっと、いいものにしよう、と。ウエストサイドが代表作になっていますが、もっと いいものを創ろう、という気持ちを持って。新たなものを見てもらって、お気に入りのプログラムに加えてもらえるように、って。そうして行けたらな、と。進化、ですね、やっぱり。これからも。

エレメンツも難しくして行かれてますよね。

それがおもしろい、っていうか。まだまだ出来るんだな、って思ってるから、現役してるのであって、それがなくなった時が、プロに行く時、じゃないのかなぁ、って。まだまだ、やってて楽しいですし、なんとなく、自分自身に、まだ 伸びしろを感じているので。

そうですよ!まだまだ、見せてもらいたいプログラムは たくさんあるし、シニア2年目位のお気持ちでお願いしたいですよ!

ー そうして、満足した時が、辞める時だと思うので、満足出来るスケートをするために、日々の練習をして。でも、つらいばっかりじゃ続けられないので、たのしんで行けたらいいなぁ、と思います。

今季も、エレメンツと踊りの兼ね合いで悩まれそうですか?

そうですねー⋯ やはり、難しいことを入れると、そういう部分で難しくなるんですけど、でも、去年とそのまんま同じでは おもしろくないので、やりがいを持って行けたらいいな、と。

新プログラムについても、お聞かせ下さい。

ショートは、タンゴ("Jalousie" 宮本賢二さん振り付け)なんですけど、リベルタンゴよりも もっと柔らかい感じのタンゴなので、女性の"品"みたいなものが表れるといいなぁ、と想っています。リベルタンゴは、力強い、下からの感じなんですけど、ジェラシーは、もっと澄ましてるようなタンゴになればいいな、と。

あっこちゃんのタンゴは、タンゴの、表(legato)と裏(staccato)のリズムを両方なぞっていて、表で流れて・裏で刻むのが、ジェラシーで完結していますね。リベルタンゴの、「イイね!」っていう振りも入ってて、リベルタンゴ好きにはうれしいです!⋯初めて、ドリームズ・オン・アイスで披露されたジェラシーは、強く、華やかでした。楽しく、切ないタンゴでした!

フリーの "屋根の上のバイオリン弾き(Fiddler on the Roof)"(パスカーレ・カメレンゴさん振り付け) は、ほんとに、今 すごく気に入っていて。昨季と同じ、ミュージカルなんですけれど、話は 全然違います。貧しい境遇で、ユダヤ人ということで迫害のようなこともあるんですが、その中で明るく生きようとする人たちのパワーを、表現出来たらいいなぁ、と。スローの部分は、大好きな 'Sunrise, Sunset' なので⋯ あそこは、すごく、美しく表現したいなぁ、と想います。

初披露でも、どこがつなぎか分からないくらい、音楽と物語と演技が一体になってますよ!全体が、『作品』になってます。

また、もっともっと、アレンジが加わって行って、私の、"屋根の上のバイオリン弾き" になればいいな、と思います。

エキシビションは、お話し下さった、御自身作の "The Tennessee Waltz" ですね。音楽が まを取るところで、激しい動きからガッと止まって、余韻を残しながら また動き出されていて、あそこで、あっこちゃんとお客さんの音楽のイメージがひとつになったのか、会場が ギュッ と結ばれていましたよ。試合で、難しいジャンプが決まったようなアツさでした。今季は、こちらで行かれるのでしょうか?

まだ、もう一個作るかもしれないです。

たのしみです!

---と、たのしみにしていたら⋯ フレンズ・オン・アイス(: 荒川静香さんプロデュースのアイスショウ)で! Bellydance on the Ice!:

"Ice Queen (by Dinletir) / Prophecy (by Harem)" 度肝抜かれましたよ!!
*Prophecy は定番ナンバーで、Ice Queen は、たまたま そういう曲名だったそうです。

フフッ いえいえ。フレンズで、なにか新しいものをやってほしい、ということで。THE ICE(: 中京テレビのアイスショウ)の時に、フィナーレのグループ演目で、ベリーダンスをやったのですが、「そういうの、すごく似合うね!」と言ってもらえて⋯ なんとなくその気になって。じゃあ、作ろうかな。と思って、THE ICE の総合演出の方で、その演目を振り付けされた坂上美紀さんにお願いしました。

ヴェールも、効果的に使われてます!

「ヴェール使うといいよ!」って言われて。そういったヴェール使いも含めて、ベリーダンサーの方に いろいろと習ってきました。

最近 ちまたに溢れる、お色気ダンスみたいな「なんちゃってベリー」じゃなくって、プログラム全体が、自分が想う、ベリーダンスの、ゆれ×キレが 止めどなく続くイメージ、そのものですよ!

でも、ベリーの上半身の動きをするには、足が止まってないと出来ないので、どこまで ベリーダンスの要素を取り入れるか、すごく悩んだんですけど、やはり、スケートなので、最後のほうはステップを踏もう、と。メリハリを持たせないと、って。皆さんはスケートを見に来られてますので、ずっと止まってばかりではいられませんから。バランス良く取り入れるのが すごく難しかったのですが、でも、やってみてすごく⋯

もう!騒然としましたよ!!

フフッ あれは⋯ 衣装がアレなので⋯

イヤ!衣装だけじゃない!走行距離もすごくて、ベリーのハードワーキングなかんじ出てるし、ステップも、ベリーの型が入ってて、ゆれキレ・ノンストップ で。トータルで、ベリーダンスの世界観ですよ!

いや、作ってからの期間が短かったので、なかなか⋯ フレンズの後半の公演になって、ようやく、よくなって来たんです。やってみてすごく、お客さんにノッてもらえたので、滑りやすかったです。

初戦は、フィンランディア・トロフィー(10月9-10日)ですね。

2年振りなので、たのしみにしています。

こりゃ、度肝抜きますね!

えー。イヤイヤイヤ⋯

イヤ!これらのプログラムが揃った暁には!

えー。まぁ、でも、みんなのフェイヴァリットになってもらえれば。

4つ共、なります!

頑張って、練習します!


Finale

☞ 鈴木明子選手より 〜ファンの皆さんへ〜

私も、ゲストブックに書き込みしたんですけど⋯ そう!やったった!!これを、もう一度お伝えします。

「--- 中国杯SPで、手シゴトの優れた、チャーミングでお洒落なうさぎさんを もらっていましたね。それは あなたの姿です。」

Akiko SUZUKI 鈴木明子 2009-2010SP Riverdance @ 2009 Cup of China  David Carmichael


Extra Time

あっこちゃんには、「やりたいスケート」があって、それが出来なくなった時もあったけれども、今、それがやれていますね。自分なんかもそうなんですが、『やりたいこと』を頑張ってる、今しか出来ないことを、今やってる!っていうつもりでも、「やらなくてもいいじゃない。」って言われるんです。Q.「なんでやるの?」って。それに返す答えは、見つからなくて、A.「それが、青春。ですかねぃ〜?」とか、ふざけるのが精一杯で⋯ 『やりたいこと』があって、でも、なかなか出来なくて、でも!頑張ってる、そういうみんなに、そんなあっこちゃんから、一声お声をかけてもらえると、幸いです!


☞ Akiko Suzuki @ Howa Sports Land on Sep. 1, 2010

サイコウですッ!もうこれで、みんな頑張れます!!

あ⋯ ありがとうございます!

ここ2年位、私、すごい人生たのしいんです。いろんなことがあって、つまずくんですけど、でも、相対的に、「ああ、もう、すごくいい人生だ!」って思えるので。人生って、やっぱり、キラキラ輝いてこその人生なので、自分が応援してもらって、光をもらって、またそれから、周りのひとにも、キラキラが伝わればいいな、って。そういう存在でありたいですし。同じ人生だったら、輝いてたほうが得じゃん!って思うし、悩むことがあってもいいけど、その悩みを、自分が輝くために使う手段にしちゃえばいいじゃん!って思っちゃえば。

オオゥ!

そう、自分にも言い聞かせていますし、ダメになっちゃう時も たくさんあるけど、信念を大切にして。そうすれば、夢が叶う、というか⋯

そう、「夢」とは言いたくないけれども、

そう、「やりたいこと」が出来る!って思うので。

自分が、つまんないな、って思ったら、つまんない人生にしかならないし。だから、私、「いいことないな」って言ってるひと見ると、悲しくなっちゃって。イヤイヤ!今、美味しいゴハン食べられたら、すごいイイことじゃん!って。

いや、単純なことにも、そう思えるようなひとになりたいな、って思います。ちょっとしたことにでも、いいなぁ、って思えるような人間にならなきゃな、って。そう、思えて来たのはここ最近で。「そのほうが、絶対、得してる!!」って思って。「損したくないじゃん!」って。

あっこちゃんの一瞬は、そのまなざしのように、大きくて、色鮮やかなんですね。